NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○乳脂肪製品の輸出が大幅に増加 (96/97年度上半期)



前年度同期比30%の急増


 政府の輸出統計 (Statistics New Zea land) によると、96/97貿易年度上半期 
(96年7月〜12月) におけるバターなどの乳脂肪製品の輸出量は、堅調な国際取引
価格等を背景に全体で前年度同期を30%上回って急増し、 15万7千トンとなった。 

 この内訳をみると、 バター (バターオイル、 ファットスプレッドを含む。 以下
同じ。 ) が12万5千トン、 また、 無水バター及びギーは3万2千トンで、 ともに
前年度同期と比較すると、 約3割の増加となった (表) 。 

乳脂肪製品の輸出量
(95/96、96/97上半期比較)

 資料:Statistics New Zealand

バターはロシア向け輸出が大幅に増加


 バターについては、 伝統的にイギリスが最大の輸出相手国となっているが、 同
上半期の輸出量は、 3万4千トンと前年度同期比4%の増加にとどまった。 これ
に対して、 イギリスに次ぐ輸出相手国で
あるロシア向けは、 同71%と大幅に増加して3万トンとなった。 これは、 ロシア
の厳しい外貨事情は依然として好転はしないものの、 国内生産に回復の兆しが見
られないことから、 国際市場でニュージーランド産の調達に動いたためと見られ
る。 

 なお、 バター輸出量は、 このほかの相手国についてみても、 全体的に、 前年度
同期比で増加傾向となった。 

 

無水バター、 ギーはメキシコ・香港で5割増


 一方、 無水バターおよびギーの輸出は、 アジア、 中東・北アフリカおよびメキ
シコ向けが中心となっているが、 96/97年度上半期の輸出量は、 前年度同期比31
%の急増となった。 ちなみに、 95/96年度には国際市場環境の悪化 (豪州との輸
出競争の激化など) により前年度同期比で27%の大幅な減少となったが、 96/97
年度上半期の急増により、 ほぼ、 一昨年前の水準に戻ったこととなる。 

 輸出量を国別にみると、 メキシコ向けが3千7百トン、 香港向けが9百トンと、 
ともに前年度同期比53%増と大幅に増加した。 また、 エジプト、 フィリピン、 サ
ウジアラビア、 インドネシア、 シンガポール向けも、 軒並み10%台の伸びとなっ
ている。 

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