◇絵でみる需給動向◇
96年の豚肉輸出量 (枝肉ベース、 以下同じ) は、 前年に比べて23. 5%増加の4 3万2千トンとなった。 輸出は、 前年水準を上回る拡大傾向が続いているが、これ は最大の輸出市場である日本向けが好調なためである。
全体の約5割を占める96年の日本向け輸出量は、 前年に比べて37.2%増と大幅 な増加となった。 これを96年通年でみると、 95年11月から発動された日本の豚肉 輸入緊急措置 (SG) が、 96年4月に解除され基準輸入価格が引き下げられたこと から、 4月以降の輸入が大幅に増加した。 このため96年第2四半期 (4〜6月) の日本向け輸出量は、 前年同期に比べて117. 5%増と2倍以上の伸びを示した。 しかし、 7月から再びSGが発動されたことから需要が落ち込み、 第3四半期は、 前年同期比が21. 2%減と前年水準を大幅に下回ることとなった。 その後は、 需 要が増えたことからまた増加に転じ、 第4四半期は、 前年同期に比べ7. 7%の増 加となった。 日本に次ぐ伝統的な輸出市場であるカナダ、 メキシコ向けについては、 明暗を 分ける結果となった。 96年のカナダ向け輸出量は、 関税率の低下を受けて前年に比べて63. 4%増の 大幅な増加となり、 メキシコを上回る数量となった。 一方メキシコ向けは、 前年 比6. 7%の減少となった。
米国食肉輸出連合会は、 2月下旬に行われたUSDA主催の農業観測会議で、 97年 の豚肉輸出見込みについて発表した。 これによると、 日本、 カナダ、 メキシコな どいずれの国についても増加が見込まれるとしており、 97年の輸出量 (製品ベー ス、 一部内蔵肉を含む) は、 前年に比べ、 約20%増加の52万トン程度になると予 測している。 そうした中、 3月下旬に台湾で豚の口蹄疫が発生したが、 その影響による見込 みの変化は、 今後徐々に浸透していくものとみられる。
豚肉輸入量は、 前年に比べて6. 8%減少の28万1千トンとなった。 これを国別にみると、 併せると全体の9割を占めるカナダ、 デンマーク両国か らの輸入が、 いずれも前年水準を下回る結果となった。 カナダからの96年輸入量 は、 前年比3. 6%の減少となり、 デンマークについては、 前年に比べて15. 4% の減少となった。 ちなみに、 米国の豚肉輸入は、 近年減少傾向にあり、 95年以降は純輸出国とな っている。
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