97年度農産物政策価格パッケージ案を決定 (EU)




畜産物の政策価格は据え置き


 EU委員会は、 3月5日、 97年度農産物の支持価格等に関する農産物政策価格パ
ッケージ案を決定した。 これによると、 今後、 共通農業政策 (CAP)そのものの大
幅な改革を目指すことが予定されていることもあって、 穀物分野以外の政策価格
は、 前年度と同様据え置きとなった。 また、 主要な畜産物の政策価格についても、 
以下のとおり据え置きとなった。 

97年度政策価格パッケージ案( ECU/100s )

 注:政策価格の適用年度は、牛乳・乳製品および牛肉については、97年7月1
   日から98年6月30日、また、豚肉および羊肉については、97年1月2日から
   98年1月1日からとなっている。

羊・羊肉での奨励金支払い減少などにより、 削減を免れる


 97年度の政策価格パッケージ案については、 通貨統合を控えた予算増加抑制の
中で、 98年のCAP関連予算に410億ECU (約6兆円) のシーリング案が設定された
ことから、 一時、 一律5%削減といった案が浮上していた。 しかしながら、 その
後、 (1)羊・羊肉分野での奨励金の支払いが減少したこと、 (2)生乳生産割当制度
に基づき、 加盟国が割当を超過して生産した場合に支払う課徴金の収入が増加し
たこと、 (3)牛海綿状脳症 (BSE) 問題の影響などにより行われた牛肉の介入買入
れ数量が、 当初見込みより少なかったことなどにより、 削減を免れることとなっ
た。 

 なお、 今回決定された政策価格パッケージ案については、 今後、 EU農相理事会
で検討されることとなる。 


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