◇絵でみる需給動向◇
豪州フィードロット協会 (ALFA) と豪州食肉畜産公社 (AMLC) による四半期毎 のフィードロット飼養動向調査によれば、 97年9月末のフィードロット飼養頭 数は約48万8千頭となり、 前回調査時点 (6月末) と比較すると、 1.6%の 増加となった。 これは、 6月末に出された予測値を約7千頭上回ってはいるもの の、 前回調査における増加率 (12%) と比較すると、 導入頭数の伸びが急速に 低下していることを示している。 さらに、 今回調査と同時に発表された12月末 (次回調査)の予測では、 主要肉牛産地であるクイーンズランド州及びニューサウ スウェールズ州を中心とした地域の最近の降雨により、 干ばつ傾向が改善して、 今後放牧が増えると考えられることから、 今回を9.6%下回る44万1千頭に なると見込んでいる。 これに伴い、 フィードロットの操業度 (収容能力に対する 実飼養頭数の割合) も今回調査の57%から、 12月末には51%に低下すると 予想されている。
9月末のフィードロット飼養頭数を州別にみると、 豪州の全牛飼養頭数の半分 以上を占めるクイーンズランド州では、 9月まで干ばつの影響が大きかったこと や、 グレインフェッド牛肉の最大市場である日本での消費回復の期待が高まった ことなどを反映して、 前回調査時点より23%増加した。 なお、 ビクトリア州、 サウスオーストラリア州及びウェスタンオーストラリア州では放牧シーズンを迎 えたことから大きく減少している。 次に仕向け先別にみると、 日本向けおよび豪州国内向けで全体の95%を占め る構造となっているが、 そのうち、 最大の日本向けのシェアが消費回復期待を反 映して前回調査より1.5ポイント上昇し、 全体の60%を占めた。 これに対し て、 豪州国内向けのシェアは1.4ポイント減少したものの、 大手量販店を中心 とした安定的な需要に支えられて、 全体の35%と依然として高水準にある。
なお、 ALFAとAMLCによる別の長期予測では、 98年末までのフィードロット飼 養頭数は、 今後、 日本の牛肉消費がさらに回復すると予想されることや、 エルニ ーニョの影響評価を定め難い中でも穀物の増産を見込んでいることから、 漸増傾 向で推移すると予想している。 また、 グレインフェッド牛肉の生産増加に伴い、 98年末のフィードロットの 操業度は70%に達すると予測されている。 ◇図:フィードロットにおける飼養状況◇ 州別フィードロット飼養頭数 資料:ALFA/AMLC 「National Feedlot Survey」 ( )内は対前回比:%
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