◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド政府の輸出統計によると、 96/97貿易年度 (96年7月 〜97年6月) のチーズ輸出量 (カードを除く) は、 前年度を41%と大幅に上 回る22万3千トンとなった。 同国のチーズ輸出量は、 年々増加しており、 96/97年度の輸出量は、 92 /93年度 (11万トン) と比較すると、 約2倍に増加している。 輸出量がハイペースで増加した背景には、 日本を中心とした環太平洋地域で需 要が顕著に増加したことに加え、 ニュージーランド・デイリー・ボード(NZDB)が、 近年、 世界的に需要が伸び悩んでいるバターの生産を減らす一方で、 需要の伸び が著しく、 かつ利益率の高い品目であるチーズや全粉乳生産に重点を移してきた ことが挙げられる。 ◇図1:チーズ輸出量の推移◇
96/97年度の主な輸出相手国は、 日本、 米国、 豪州、 ロシアなどとなって いる。 そのうち、 伝統的に最大の輸出市場であり、 かつ、 国民一人当たりのチーズ消 費量の増加傾向が続く日本向けは、 前年度を14%上回る5万1千トンとなり、 輸出量全体の23%を占めた。 また、 第2位の米国向けも、 前年度同期比59%増の2万2千トンと極めて好 調であった。 第3位は豪州並びにロシア向けで、 ともに2万1千トンとなった。 しかしながら、 対前年度比でみると、 豪州が前年度同期比5%減であったのに対 して、 ロシアは32%増となっている。 ロシアでは、 経済改革により新富裕層が 形成されつつあるため需要が伸びているが、 国内生産は依然として不振である。 このことを背景に、 NZDBが 「FERNDALE」 ブランドと呼ばれる消費者向け製品の販 売に力を入れており、 これによって市場が大きく拡大しつつあることが、 輸出増 の要因となっている。 ◇図2:チーズの国別輸出割合◇ なお、 種類別では、 チェダーチーズ (パウダータイプを除く) の割合が最も大 きく、 96/97年度は8万2千トンと全体の40%を占め、 前年度と比較して 約5割の大幅な増加となっている。 ◇図3:チーズの種類別輸出割合◇
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