豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○フィードロット飼養頭数がさらに回復へ



● 半年間で24%の増加


 豪州フィードロット協会 (ALFA) と豪州食肉畜産公社 (AMLC) は、 四半期毎に
フィードロットの飼養動向調査を行っているが、 このほど、 97年3月の調査報告
および6月の予測値が明らかにされた。 

 これによると、 97年3月のフィードロットの飼養頭数は43万8千頭と、 前回の
96年12月調査時点と比較すると約19%の増加となった。 また、 この数値は、 前回
調査時に出された予測値を約4万頭も上回っており、 フィードロットの飼養頭数
の回復傾向が、 ますます強まってきたことが窺える。 さらに、 次回の97年6月の
予測では、 増加率は大幅に低下するものの、 3月の頭数を約4%上回る45万5千
頭になると見込まれている。 この半年間でみると、 飼養頭数は24%も増加するこ
とになるが、 増加率の低下が著しいことから、 今後も上昇傾向を保つのか注目さ
れるところである。 

 なお、 飼養頭数が増加したため、 全体のフィードロット収容能力が2.3%増加
したにも拘らず、 牛の収容率は51%と、 前回を7ポイントも上回る値となった。 

 

● 国内市場向けの増加が要因


 フィードロット飼育牛の仕向け先別飼養頭数のシェアをみると、 伝統的なグレ
インフェッド牛肉の仕向け先であるわが国向けの割合が減少し、 豪州国内市場へ
の仕向け割合の増加が顕著になってきていることが判る。 全体でみると、 わが国
および豪州国内の2大市場向けが、 フィードロット飼養頭数の95%以上を占める
構造となっているが、 最近の傾向をみると、 国内市場向けの増加が、 全体の飼養
頭数を増加させる牽引役を果たしている。 

 従来、 日本市場向けは、 フィードロット飼養頭数全体の7割を占めていたが、 
近年の米国産牛肉との競合激化による対日輸出の減少により、 そのシェアは次第
に低下し、 3月調査では62%まで落ち込んでいる。 次回調査ではさらに、 6割を
割り込むものと予測されている。 

 一方、 国内市場向けは、 対日輸出の減少を補う形で、 フードサービス部門を中
心に昨今では著しい増加を示しており、 3月調査の国内市場向け飼養頭数は、 前
回調査と比較して57%もの大幅な増加となっている。 なお、 次回調査では、 国内
市場向けは更に増加し、 全体に占めるシェアも、 37%にまで拡大するものと予測
されている。 

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