◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC) によると、 豪州のチーズ生産量は、 90/91年度 (7月〜6月) から、 5年連続で前年を上回って推移しており、 90/91年度の17万9千トンから、 95/96年度には26万8千トン (49.7%増加) となった。 生産量の増加の背景には、 国内および海外市場の拡大による需要増がある。 チ ーズは、 豪州で生産される他の乳製品と異なり、 かつては国内向けの割合が高か ったため、 生産量は、 国内の消費動向に大きく左右されてきた。 しかし、 近年は、 輸出向けの割合が、 およそ4割にまで高まっていることから、 輸出の動向も、 生 産量に大きな影響を与えつつある。 さらに、 その国内外市場での成長性に着目し、 乳製品の生産がバターや脱脂粉乳から、 一部、 チーズ生産にシフトしていること も、 生産が増加している理由の一つと考えられる。
チーズのタイプ別の生産シェアをみると、 95/96年度では、チェダータイプ(プ ロセスチーズを含む) が生産全体の63%と3分の2近くを占め、 これに、 モッツ ァレラ系などのシュレッドタイプ (16%)、 カッテージやクリームチーズなどの フレッシュタイプ (11%) が続いている。
チーズの生産量は、 ほとんどすべてのタイプで大きく増加している。 95/96年 度の対前年増加率は、 チェダータイプが13%、 気孔タイプ (ゴーダ、 エダムなど) が27%、 フレッシュタイプが16%と、 それぞれ2けた台の伸びを示した。 特に、 チェダータイプは、 数量でも2万トン近く増加し、 全増加数量の72%を占めた。 これは、 消費者の健康指向により、 低脂肪タイプのチェダーチーズの需要が増加 していることおよび、 チェダーチーズなどを原料とするプロセスチーズの輸出が 増加していることを反映したものと考えられる。 チーズのタイプ別生産量の推移 資料:ADC「Dairy Compendium」
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