●　５月末にはホームページを開設


　イギリスの酪農家および乳業メーカーの団体である全国乳業協議会(NDC：設立
1920年) は､ 幼児から成年者に至るまでの幅広い階層の人々に､ 牛乳・乳製品の
消費拡大を図ることを目的として､ それらに関する情報提供活動などを行ってい
る｡ 

　NDCは､主に出版物等を通じて情報提供活動､ 市場調査､ 広報活動などを行って
きたが､５月末には牛乳・乳製品に関する基礎的な情報やNDCの最新の出版物の案
内などを中心としたホームページ [http:／／www. milk. co. uk] をインターネ
ット上に開設し､ 新たな情報提供事業を開始した｡ 

●　小学生向けのテキストでは ｢ミルクマン｣ の紹介が特徴


　また､ これらNDCの業務の中で､ 主に小学校の児童・生徒を対象にした教育プ
ログラムの一つには､ 教師向けの指導書とともに､ 以下のような基礎的な内容の
テキストが用意されている｡ 

１　乳牛の種類やその特徴､ また乳牛に与える飼料などに関する解説

２　酪農家の周囲の環境や牛舎やパーラーなど施設の配置状況､ また酪農家の仕
　　事の実状や環境問題などに関する解説

３　牛乳やチーズなどの乳製品の製造方法に関する解説

４　牛乳・乳製品が酪農家から消費者に届くまでの流通経路､ またスーパーマー
　　ケットにおける乳製品の販売風景や各種の牛乳・乳製品に記されているパッ
　　ケージに関する解説

５　牛乳の種類やその特徴､ また牛乳とヒトの健康との関わりなどに関する解説

　テキストの中で特徴的なものは､ 牛乳の戸別配達業に関する解説である｡ イギ
リスの飲用牛乳の流通においては､ ｢ミルクマン｣ と呼ばれる牛乳の家庭配達業
者が重要な地位を占めている｡ NDCのレポートによると､ 同国には現在３万５千
人のミルクマンがおり､ 毎日約１千１百万リットルの牛乳を戸別配達していると
されている｡ また､ 彼らは一人当たり約450戸の家庭を担当している｡ 

　テキストには､ あるミルクマンの１日の生活とともに､ 彼らの賃金の事例を紹
介したり､ 他の職業との違いや彼らが直面している問題等についての項目があっ
て､ 児童・生徒がこれらに関し議論を行えるようになっている｡ 


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