◇絵でみる需給動向◇
96年度 (96年7月/97年6月) の期首からの8カ月間では、 バターなどの乳脂 肪制品 (無水バター、 ギーなどを含む) の輸出数量は、 約6万9千トンに達し、 前年度同期比で64%の大幅な増加となった。 輸出量が大幅に増加した背景には、 バター生産量が前年度同期比で約4%増加 し、 輸出意欲が高まったことに加えて、 その国際価格が低下したことにより輸入 需要が増加したことなどが挙げられる。 ちなみに、 96年に入ってからのバターの 国際価格は、 ロシアやアジアの輸入拡大で急騰した前年からは、 一転して大幅に 低下しており、 96年7月〜97年2月までの8ヵ月間の平均価格は、 前年同期比で 約27%安の1,769米ドル/トンとなった。
バターの輸出動向を相手国別にみると、 急増したエジプトが第1位で、 22%と 圧倒的なシェアを占めた。 以下、 南アフリカが9%、 ロシアとかつて第1位のシ ェアを占めたシンガポールがともに7%、 ベルギーとアラブ首長国連邦がともに 6%、 香港が5%と続いている。 (図1)
一方、 無水バター、 ギーなどの輸出を相手国別の割合でみると、 タイが18%で 最大となっており、 続いてメキシコが13%、 フィリピンが10%、 シンガポールが 8%、 インドネシア・アルジェリア・エジプトがともに 7%となっている。 (図 2)
なお、 乳脂肪製品の生産量に占める輸出量のシェアについてみると、 95/96年 度には4割強であったのに対して、 同8カ月間の実績では、 輸出の急増を反映し て、 約6割にまでシェアが高まっている。 表 バター等の乳脂肪製品の生産量・輸出量 資料:ADC「Dairy Compendium」 ABS「Export Statistics」
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