◇絵でみる需給動向◇
米農務省 (USDA) によると、 97年第1四半期の生乳生産量は、 前年同期を 0.6 %、 10万9千トン下回り、1千760万トンとなった。 2月の生乳生産が天候不順の 影響で前年同月比 2.5%と減少したことが、 第1四半期の生乳生産量を前年同期 と比べて減少させた大きな要因となっている。 米国の生乳生産量は、 90年以降、 おおむね増加傾向で推移してきたが、 96年に は、 飼料価格の高騰により乳牛の淘汰が進み、 飼養頭数の減少が加速されたため、 前年を下回った。 97年第1四半期については、 全米第1位の生乳生産地帯である カリフォルニア州や伝統的な酪農地帯である中西部地域を襲った洪水、 豪雪等の 天候不順や、 乾草等の飼料の栄養分低下の影響、 アルファルファなど飼料の価格 上昇が、 生乳生産を抑制したものと考えられる。
97年第1四半期の乳牛の月平均飼養頭数は、 前年同期比1.4%、13万3千頭減の 926万4千頭となった。 これは、 前年の第4四半期と比べても0.4%、 3万6千頭 の減少となっており、 飼養頭数が引き続き減少していることを示している。 ちな みに、 乳牛の飼養頭数は、 後継者不足での酪農家の廃業などにより、 過去10年間 で約9%減少している。 また、 USDAの97年1月時点の報告では、 繁殖牛群が減少 しているとされたことから、 乳牛の飼養頭数は引き続き減少傾向で推移すると見 込まれている。
97年第1四半期の1頭当たり平均乳量は、 前年同期比0.8%増の1,901kgとなっ た。 これは、 前年の第4四半期と比べても2.6%増となっている。 これまで、 乳牛の飼養頭数が減少していたにもかかわらず、 生乳生産量が増加 した大きな要因は、 乳牛の飼養頭数の減少を1頭当たりの乳量の増加が補ってい たためであったが、 96年から97年第1四半期にかけては、 乳牛の飼養頭数の減少 を補うことはできなかったこととなる。
なお、 全米の生乳生産量の51%を占める主要5州について州別の動向を見ると、 第1位のカリフォルニア州は前年同期比3.8%増の295万7千トン、 以下、 ウィス コンシン州が同3.4%減の247万1千トン、 ニューヨーク州が同3.6%減の128万6 千トン、 ペンシルベニア州が同2.6%減の120万2千トン、 ミネソタ州が同 2.4% 減の 107万1千トンとなっており、 カリフォルニア州を除く4州はいずれも前年 同期を下回った。
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