NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○乳脂肪製品の輸出が増加 (96/97年度)


● 全体では前年度比33%の大幅増加

 政府の輸出統計によると、 96/97貿易年度 (7月〜6月) の乳脂肪製品輸出量
は、 バターの国際価格が前年度より約20%低下したことによる輸入需要の回復を
背景に、 全体で前年度を33%上回る31万5千トンとなった。 

 内訳をみると、 バター (デイリースプレッドなどを含む) の輸出量は、 前年度
を30%上回る25万1千トン、 無水バター及びギーの輸出量は前年度を47%上回る
6万4千トンと、 それぞれ大幅な増加となった。 

乳脂肪製品輸出量(96/97年度、国別)

 資料:Statistics New Zealand


● バター輸出量はロシア向けが大幅に増加

 バターの輸出を国別にみると、 ロシアが最大の仕向け先となっている (図1)。 
96/97年度には同国向け輸出量は、前年度比122%増の7万9千5百トンとなった
が、 この背景としては、 同国のバター生産が一貫して減少し続けており、 ソ連邦
崩壊直前の約3分の1にまで激減していることが挙げられる。 また、 イギリスは、 
伝統的にバターの最大の輸出相手国であったが、 今年度は前年度に比べ11%減少
して5万8千トンとなったことから、 ロシアに次いで第2位の輸出相手国となっ
た。 

 このほかの仕向け先では、 アジア向けの輸出については、 全体的に前年度を上
回った。 

◇図1:バターの国別輸出割合◇


● 無水バター、 ギーも大幅に増加

 一方、 無水バター及びギーの輸出は、 アジア、 中東・北アフリカおよびメキシ
コ向けが中心となっている (図2)。 輸出量は、 近年順調に増加し、91/92年度以
降は、 95/96年度を除き、 ほぼ毎年10%以上の伸びを記録しており、 96/97年度
には、 前年度比5割近くの大幅な増加となった。 

 95/96年度には、 国際価格の上昇もあって輸出が低水準で推移したが、 96/97
年度は、首位のメキシコ向けが前年度比131%増の7万8千トンと2倍以上の大幅
な増加となったのをはじめ、 主要国向けの輸出量が軒並み増加に転じたため、 前
年度を大幅に上回る輸出実績となった。 

◇図2:無水バターおよびギーの国別輸出割合◇

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