◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランドの輸出統計によると、 96/97貿易年度 (96年7月〜9 7年6月) の脱脂粉乳の輸出量は、 前年度を44%上回る18万3千トンとなっ た。 こうした大幅な伸びを記録した背景には、 前年度の脱脂粉乳の輸出が、 国際価 格の高騰による輸入国側の需要の減退などから、 低水準で推移したことがある。 しかし、 96/97年度に入ってからは、 脱脂粉乳の国内在庫の確保がなされ、 また、 国際価格が対前年度比で15%低下したことに伴い、 輸入国側の需要が回 復したことなどもあって、 前年度を大幅に上回る輸出実績を達成したものである。 ◇図1:脱脂粉乳の年度別輸出量推移◇
輸出動向を相手国別にみると、 アジアを中心とする主要7カ国向けの輸出量は、 いずれも、 前年度比で二ケタ以上の大幅な増加を記録した。 伝統的な輸出先であるマレーシア向けは、 前年度比で5割以上の伸びとなり第 一位となった。 また、 同じく重要な相手国である日本向けは、 前年度の一位から 順位を一つ下げたものの、 数量では同13%の増加となった。 さらに3位のフィ リピン向けについては、 約2倍以上の大幅な伸びをみせた。 以下、 インドネシア、 台湾、 サウジアラビア、 タイといれずも対前年度比で2ケタ以上の大幅な増加と なった。 ◇図2:脱脂粉乳の主要相手国別輸出量◇
アジア、 特に東南アジア向けの輸出が好調となった理由としては、 1) 近年、同 地域における経済成長がめざましく、 脱脂粉乳を使用した乳飲料・各種調製粉乳 やその他の製品に対する需要が増していることや、 2) 同地域は、オセアニアと並 ぶ乳製品輸出国であるEU主要国から地理的に離れているため、 ニュージーランド にとって競争上有利であることなどの、 さまざまな条件がそろっているためとみ られている。
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