USDA、 食料品の有効活用を訴え (米国)




全食料品供給量の27%を廃棄

 米農務省 (USDA) は、 95年の全食料品供給量の約27パーセントに当たる約
963億ポンド (約4,370万トン) が小売り、 家庭消費と外食の各段階で廃
棄されているという推計結果を発表した。 

 廃棄された食料品を多い順にみると、 青果物(全体の19.6%) 、 飲用乳(同
18.1%) 、 穀類 (同15.2%) そして甘味菓子 (同12.4%) となって
おり、 これらで全体の約3分の2を占めている。 


小売り段階の廃棄は全食料品供給量の1. 5%

 次に、 流通消費の段階別にみると、 まず小売り段階で廃棄された食料品は、 全
食料品供給量の約1.5%、 約54億ポンド (約245万トン) と推計されてい
る。 

 小売り段階での食料品の廃棄の原因は、 過剰在庫、 商品化の際の原材料の過度
な整形、 ハロウィン時のクッキーのような季節的商品の売れ残り、 また、 飲用乳
やパンなどの賞味期限を過ぎたものの廃棄等が挙げられている。 さらに、 9割に
も達すると推定される新商品開発の高い失敗も食品廃棄の大きな要因となってい
ると指摘している。 


家庭消費と外食段階で廃棄量の9割を占める

 一方、 家庭消費や外食段階では、 全食料品供給量の約25.5% (廃棄量の9
割) に当たる約908億ポンド (約4,120万トン) が廃棄されていると推測
した。 

 家庭消費段階での廃棄の要因としては、 作り過ぎによる食べ残しや冷蔵庫に放
置された野菜などの廃棄が多いことが挙げられている。 

 また、 外食段階での廃棄の要因としては、 利用者の食べ残し、 店側の見込違い
による作り過ぎやメニューの多様化による在庫管理の困難さ、 さらに、 メニュー
にビッグサイズを採用する傾向が進んでいることも廃棄量が増加する原因となっ
ていると指摘している。 


食料品の有効活用の重要性を訴える

 USDAは、 仮に、 廃棄されている食料品の約5%を有効活用できれば、 約4百万
人の食料が確保できるとともに、 年間約5千万ドル (約58億円) の廃棄物処理
経費が節減されるとして、 食料品の有効活用の重要性を強調している。 



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