タイの鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○タイの鶏肉需給


拡大するも伸びが鈍化する国内生産

 タイ農業協同組合省が公表した統計によると、97年11月のブロイラーの生
産量は、前年同月比17.0%増の74.9百万羽と引き続き大幅な増加となっ
た。6月に70百万羽を超えた生産量は、8月まで前年同月比20%を上回る伸
びを示したものの、9月以降は伸び率が低下している。また、ひなのふ化羽数に
ついても、同様に8月までは前年同月比で20%を超える伸び率を記録したが、
9月以降は鈍化しており、11月では78.3百万羽、前年同月比17.3%増
にとどまった。今後の生産量は、引き続き増加が見込まれるものの、飼料価格の
上昇から、これまでのような生産量の増加は望めないものと思われる。


堅調に推移する卸売価格

 バンコク市場における98年1月の鶏(生体)の卸売価格(速報)は、1kg当
たり31.0バーツ(前年同月比14.8%増)となっており、97年9月以降、
前年同月を上回って推移している。また、2月の第2週までの価格は、1月と同
じ31.0バーツで前年比24%高と引き続き大幅に上昇している。これは、コ
ストの上昇により生産者が減産していることと、バーツ安により輸出市場が好調
であることから、生産者が輸出向けの生産を重視して、国内市場への出荷量が減
少しているためと見られており、当分の間、この水準が続くものと考えられる。


低下するブロイラー輸出価格

 97年9月のブロイラーの平均輸出価格は、バーツ建てでは79,571バー
ツ/トンと前年同月を18.8%上回っており、為替相場制度の変更を行った昨
年7月以降上昇を続けている。しかし、この価格を鶏肉の輸出入取引に通常用い
られる米ドルベース(97年9月現在1USドル=34.38バーツ、TTSレート)
に換算すると2,314ドル/トンとなり、前年同月比13.2%の低下となる。
これは、米ドルベースでは、輸出価格を引き下げているものの、タイバーツ相場
の下落幅の方が大きい(96年9月1USドル=25.12バーツ)ため、バーツ
ベースでの輸出価格が上昇したもので、タイバーツの為替相場が落ち着くまで、
この状況が続くものと見られている。

◇図:ブロイラー平均輸出価格とバーツ為替相場◇



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