NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○低下が続く生産者支払乳価


97/98年度の基本乳価は 3 NZドル/kg

 ニュージーランド・デイリー・ボード(NZDB)は、97/98年度の基本乳価につ
いて、前年度を18セント下回る乳固形分1kg当たり3.00NZドル(約200円: 11NZ
ドル=65.5円)と定めた。基本乳価は、96/97年度に引き続き低下傾向にあるが、
NZDBではその要因として、国際市況の下落などによる乳製品の輸出価格の低下な
どを挙げている。


乳業メーカーの生産者支払乳価も低下

 また、乳業メーカー(酪農協の一部門)の生産者支払乳価をみると、97/98年
度の基本乳価の低下を受け、総じて前年度水準を下回っており、メーカーの平均
支払乳価は3.49NZドル(約229円)/kgと、前年度に比べ4.9%低下した。

 乳業メーカーは、NZDBの定める基本乳価に、それぞれの経営実績などに応じた
利益還元分(メーカープレミアム)を加えたものを、最終乳価として生産者へ支
払っており、メーカーの経営状況により各社で支払乳価が異なる。


最高乳価は 6 年連続でタトゥア社

 乳業メーカーごとに乳価をみると、全メーカーの中で最高乳価となったのは、
他に比べ小規模で、かつ、特定製品に特化した生産を行っているタトゥア社で、
3.65NZドル(約239円)/kgとなった。同社の乳価は、92/93年度以来 6 年連続
のトップとなっており、これは製品特化型の生産を行ってきた成果であり、今後
も独自路線を歩みたいと関係者は述べている。

 タトゥア社に続いて高乳価のウエストランド社は、流通合理化や生産効率の向
上が大きな利益につながり、3.62NZドル(約237円)/kgとなっている。

 この他、ニュージーランド最大の乳業メーカーであるニュージーランド・デイ
リー・グループ(NZDG)は、経営コストを軽減させ生産効率が上がったとしてい
るものの、3.51NZドル(約230円)/kgと前年よりも21セント下回る低水準となっ
た。

乳業メーカー(酪農協)別の乳価

 資料:「New Zealand Dairy Exporter」
  注:乳固形分(乳たんぱく質+乳脂肪)換算 1 kg当たりの価格


統合が進む酪農協

 近年、ニュージーランドの酪農協は、一層の経営合理化を図るため他の酪農協
との合併が進んでいる。先ごろも、今年 06 月にサウスランド酪農協とアルパイ
ン酪農協の合併によって発足したばかりのサウス・アイランド酪農協が、最大手
のNZDGと合併に向けての話し合いを開始したと伝えられている。また最近では、
政府の推進する規制緩和政策の一環で、NZDBの見直し計画も浮上していることか
ら、酪農協は将来の生き残りをかけて、他社との合併や経営再編などの動きに前
向きな姿勢をみせており、今後もこうした動きは続くものと思われる。


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