◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC) によると、 豪州の96/97年度 (96年7月〜97年6月) のチーズ輸出量は、 前年度比7%増の12万5千トン (暫定値、 製品重量ベース) となった。 チーズ輸出量は、 ここ数年、 4%〜24%の伸びを記録している。 94/95 年度までの3年間は二ケタ台の増加率を維持したが、 国際市況が高値となった影 響で、 東南アジアや南米など一部の市場向けの輸出が減少もしくは前年並みとな ったことから、 95/96年度には伸び率が4%へと鈍化した。 しかし、 96/ 97年度は日本をはじめとする主要市場の堅調な需要に支えられて、 再び好調な 伸びを記録した。 ◇図1:チーズ輸出量の推移◇
豪州の主なチーズ輸出相手国は、 日本、 サウジアラビア、 米国、 イギリスなど である。 このうち、 輸出量全体の半数近くを占める日本向けは、 前年度を5%上 回る5万9千トンとなった。 日本向けの輸出は伝統的に、 プロセスチーズ製造用 のチェダーチーズが主力であった。 しかし、 日本では、 近年、 シュレッド加工さ れるゴーダチーズや、 ピザ用のシュレッドチーズ、 クリーム、 モッツァレラなど といった直接消費用のナチュラルチーズ市場が急成長しており、 このことが豪州 からのチーズ輸出の増加に寄与している。 また、 第3位の米国向けの輸出は、 ピ ザなどのファスト・フード業界での業務用需要の増加や、 消費拡大活動に伴う順 調な消費量の増加を背景に、 前年度を25%上回る6千トンとなった。 イギリス 向け輸出も、 EU向けの市場アクセスの改善などによって、 前年度を48%上回る 6千トンとなった。 一方、 日本に次ぐ輸出先のサウジアラビア向けは、 同21% 減の1万トンとなり、 他の中近東地域も減少に転じている。 ◇図2:チーズの国別輸出◇
種類別にみると、 チェダーチーズが前年度比10%増の5万6千トンと、 全体 の46%を占めたのに対し、 チェダーに次いで輸出量の多いプロセスチーズが前 年度比18%減の2万トンとなり、 93/94年度のレベルをも下回った。 また、 チェダー以外のナチュラルチーズは、 ほとんどの種類で、 二ケタ台の大幅な伸び となっている。 特に、 ここ数年は、 フレッシュチーズ (前年度比42%増) や、 ピザ用のシュレッドチーズ (同10%増) の輸出が大きく増加している。 ◇図3:チーズの種類別輸出割合◇
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