ポーランド産牛乳・乳製品の輸入を禁止 (EU)




97年12月1日から輸入を全面禁止

 EUは、 97年12月1日から、 ポーランド産牛乳・乳製品の輸入を全面的に禁
止する措置を取った。 これまで、 ポーランドからEU域内への牛乳・乳製品の輸出
は、 EUが定めた牛乳・乳製品の衛生基準をクリアした40の認定工場からのみ行
われていた。 今回の措置は、 11月30日をもってこの認定期間が終了したこと
に伴い、 その期間延長を中止したものである。 


検査の結果、 EUの衛生基準を満たしていないことが背景

 今回、 EUがこのような措置を取った背景には、 97年のはじめにEUの検査員が
ポーランドの乳処理工場を検査した結果、 そのうち約半数の工場がEUの衛生基準
を満たしておらず、 原料の処理過程で衛生的な問題が発生する可能性があると指
摘したことがある。 さらに、 10月に行った検査でも、 EUに輸出実績のある4つ
の工場のうち2つにおいて、 同様の問題が指摘された。 

 なお、 ポーランドからEUへの牛乳・乳製品の輸出額 (96年) は、 3千8百万
ECU (約52億円) となっている。 また、 品目別に見ると、 飲用乳18, 510
トン、 バター1, 832トンおよびチーズ3, 236トンで、 主な輸出先はド
イツとなっている。 


ポーランド、 EUへの早期加盟のため積極的に対応

 今回の措置について、 EUは、 ポーランドに対しEUの衛生基準を満たすよう早急
な改善を求めた。 ただし、 今後すぐに改善が図られた場合でも、 最低数週間はこ
の措置が継続されるであろうとしている。 

 これに対し、 ポーランドは今回のEUの要求を受け、 1月末までにEUの衛生基準
を満たした乳処理工場の新しいリストを提出するとしている。 同国はEUの検査員
による再検査を受けた後、 3月には牛乳・乳製品のEU向け輸出を再開することを
希望している。 このように、 ポーランドがこの問題の早期解決に向けて積極的な
対応を図った背景には、 同国が今年の早い時期からEU加盟交渉を開始することと
なっており、 早期加盟 (2001年) を目指す同国としては、 このような貿易上
の問題が加盟交渉に悪影響を及ぼすことを回避するためとみられている。 



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