米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○97年の牛肉生産は高水準となる見込み


96年並の高水準を維持

 米農務省 (USDA) の11月現在の食肉需給予測によると、 97年1月から11
月の牛枝肉生産量 (枝肉重量ベース) の累計は、 前年同期比1.0%増の236
億98百万ポンド (1,074万9千トン) となった。 このうち、 上半期 (1〜
6月) の生産量は、 同3.2%減の568万4千トンに落ち込んだが、下半期(7
〜11月) は、 同6.1%増の506万5千トンと回復している。 この結果、 9
7年通年の枝肉生産量は、 史上2番目となった96年とほぼ同水準の1,148
万2千トンに達すると見込まれている。 


平均枝肉重量の増加が生産増に寄与

 97年後半に枝肉生産量が増加したのは、 と畜頭数の増加によるところが大き
いが、 平均枝肉重量の増加もその要因の一つとなっている。 平均枝肉重量は、 9
6年には飼料穀物価格の高騰を受けてフィードロットでの肥育期間が短縮された
ため、 大きく落ち込み、 年間を通してほぼ前年水準を下回って推移した。 その後、 
飼料価格の下落と肥育牛価格の回復により平均枝肉重量は徐々に増加し、 97年
の7月以降、 過去最高であった95年の水準に並んでいる。 このことが、 97年
の枝肉生産量が96年の高水準を維持していることに大きく寄与している。 

◇図: 牛枝肉平均重量の推移◇


98年の牛枝肉生産は、 減少を予測

 ただし、 USDAは、 同予測の中で、 98年の牛枝肉生産量が、 前年比2.2%減
の247億50百万ポンド (1,122万6千トン) に低下すると予測している。 
97年11月1日時点での主要7州のフィードロット (飼養頭数が千頭以上) に
おける飼養頭数は、 前年同期比10.0%増の939万頭となり、 依然高い水準
を維持している。 しかし、 キャトルサイクルが下降局面に入り、 肉用牛全体の飼
養頭数が減少していることから、 子牛の生産頭数も減少すると見込まれており、 
今後、 フィードロットの導入頭数および飼養頭数は次第に低下していくものと見
られている。 

主要7州におけるフィードロットの飼養動向

  資料:USDA「Cattle on feed」



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