食品安全性に関する消費者知識普及キャンペーンを開始 (米国)




消費者知識普及キャンペーンを開始

 米農務省および米健康保健省は、 食品安全性確保対策に基づくプログラムの一
環として、 食品業界や消費者団体と共同で、 消費者に対し食品安全に関する知識
を普及する教育キャンペーンを開始した。 

 これは、 クリントン政権が97年5月、 98年度 (97年10月〜98年9月) 
予算として発表した食品安全性確保対策5本の柱のうちの1つを実施に移すもの
である。 


官民に食品安全性に共通認識

 今回の食品安全性確保に関する知識普及キャンペーンに対しては、 全米肉牛生
産者・牛肉協会、 米国食肉協会、 全米ブロイラー協議会、 米国家きん・鶏卵協会
などの主要畜産関係団体を含む、 9つの業界団体が資金を提供することとなって
おり、 異例の官民連携によるキャンペーンが実施されることとなった。 

 この背景には、 米国の食中毒の発生が年間650万〜3,300万件あり、 年
間平均9,100人が死亡しているとする関係機関の推計や、 実際に食中毒事件
が続発したことにより、 食中毒は、 生命の危険をも伴う公衆衛生上の重要な問題
であるとの広範な科学的合意が官民で形成されたことがある。 


スローガンは、 「ばい菌をやっつけろ!」

 今回のキャンペーンは、“Fight BAC” (ばい菌をやっつけろ!) をスローガン
とした、 テレビによる30秒間の公共情報サービスがその中心となっている。 こ
の公共情報サービスにおいては、 そのキャラクターであるイライラした “BAC”
(バイキンマン)が、 台所中に汚染を広げようとして失敗するというストーリーが
展開される。 

 キャンペーンの基調をなすのは、 シンプルではあるが、 食中毒の防止には極め
て効果的な次の4つの基本的な原則である。 

1) 手や食器等をよく洗うこと
2) 間接的な汚染を防止すること
3) 適切な温度で調理すること
4) 食品を迅速に冷蔵すること


インターネットも積極活用

 このほか、 上記の4原則を消費者にわかりやすく理解させるため、 ポスター、 
店頭チラシ、 冷蔵庫用のマグネットシールなどに用いられるようにデザインされ
た食品の安全性に関する挿し絵を用いている。 また、 消費者、 健康問題の専門家、 
教育者およびマスメディアが、食中毒の防止に関する最新の情報を学べるよう、イ
ンターネット上にホームページ(www. fightbac.org) も開設し、 積極的なキャン
ペーンを展開している。 



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