米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○フィードロットの牛飼養頭数、前年水準を割り込む


肥育牛価格、回復の兆し

 低迷していた肥育牛価格も牛肉の需要期に入り、やや動きが出てきている。3
月の肥育牛価格(ネブラスカ州の相対取引価格、去勢、1,100〜1,300ポンド)は、
前年同月比9.1%安の61.99ドル/100ポンドであったが、4月に入り6
5ドル/100ポンド前後に持ち直し、回復の兆しが見え始めた。しかし、枝肉
生産量が引き続き高水準にあることから、依然として前年水準を下回って推移し
ている。


フィードロットの牛飼養頭数、1年半ぶりに前年割れ

 米農務省(USDA)によると、主要7州のフィードロット(収容能力千頭以
上)における4月1日現在の牛飼養頭数は、前年同月比3.3%減の861万頭
となり、18ヵ月ぶりに前年同月を下回った。一方、3月の出荷頭数は、同5.
5%増の158万頭と依然高い水準を維持している。しかし、導入頭数は、同1
6.1%減の142万頭と6ヵ月連続で前年水準を割り込んでおり、今後、出荷
頭数が前年水準を下回るのも時間の問題と見られる。

主要7州におけるフィードロットの飼養動向

 資料:USDA「Cattle on feed」


強まる肥育素牛の大型化

 フィードロットの収益性の悪化などから、より大型の肥育素牛が導入される傾
向が強い。3月に全米のフィードロット(収容能力千頭以上)に導入された肥育
素牛の体重を見ると、800ポンド(約363キロ)以上の割合は前年同月と比
較して5.6ポイント増の25.3%、600ポンド(約272キロ)未満の割
合は3.2ポイント減の13.1%となっている。このため、肥育期間の短縮化
または肥育牛の大型化により、フィードロットの飼養頭数の減少が、直ちに枝肉
生産量の減少につながるものではないとする向きもある。

◇図:フィードロットにおける導入牛の体重別割合(全米、3月)◇


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