◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランドのチーズ生産量は、近年増加し続けており、96/97年度は前 年度比12%増の26万7千トンと、かなり大きな増加となった。この背景には、日 本をはじめとする国々のおう盛な需要に応える形で、多くのメーカーが生産設備 の増強や、新商品の開発を積極的に進めるなど、生産拡大指向が顕著になってい ることが挙げられる。また、世界的に需要が伸び悩んでいるバターの生産から、 需要の伸びが著しく、かつ利益率の高いチーズなどに生産がシフトしていること も影響していると思われる。 ◇図:チーズ生産量の推移◇
ニュージーランド政府の輸出統計によると、97/98貿易年度の上半期(97年7 月〜12月)におけるチーズ輸出量(カードを除く)は、前年度を3%上回る11万3 千トンとなった。主な輸出相手国は、日本、豪州、米国、イギリスなどとなって おり、粉乳など他の乳製品と比較するといわゆる先進国が中心となっている。し かし、対前年同期の増加率をみると、上位5カ国には入っていないものの、韓国、 フィリピン、香港、台湾、マレーシアなどアジア諸国向けの伸びが著しく、日本 や米国向けの減少分をカバーする結果となった。 ◇図:チーズの国別輸出割合◇ なお、97/98年度上半期に輸出されたチーズの種類別では、チェダーチーズ(パ ウダータイプを除く)の割合が最も大きく、 4 万 3 千トンと全体の39%を占め ている。チェダーチーズは主に日本向けのプロセスチーズ原料として輸出されて きた。しかしながら、近年ではチェダー以外のナチュラルチーズの増加など商品 群の多様化が進んでいることから、前年度と比較して、4%の減少となっている。 ◇図:チーズの種類別輸出割合◇
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