NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○97/98年度乳脂肪製品の輸出はバターが減少


乳脂肪製品全体では横ばい

 ニュージーランドの輸出統計によると、97/98貿易年度(97年7月〜98年6月)
の乳脂肪製品の輸出量は、前年度とほぼ同量の31万 6 千トンとなった。

 このうち、バター(デイリースプレッドなどを含む)の輸出量は、前年度比6.8
%減の23万4千トンとなった。国際価格の急落による輸入需要の回復を背景に、
96/97年度の輸出量は30%増加したが、97/98年度には再び国際価格が上昇した
影響もあって、減少に転じたものと考えられる。一方、無水バターおよびギーの
輸出量は前年度を27.2%上回る 8 万2千トンと、大幅に増加した。

乳脂肪製品輸出量(97/98年度、国別)
●表●
 資料:Statistics New Zealand


ロシア、イギリス向けバター輸出量は減少

 バターの輸出相手国別にみると、第1位のロシアが前年度比29%減の5万7千
トン、2位のイギリスが11%減の5万2千トンと大きく減少した。特に、ロシア
向け輸出は、同国内のバター生産減少および価格高騰などを背景にこれまで増加
してきたが、経済状況の悪化により、年度後半は前年を大幅に割り込んだことな
どが影響している。バターに関して輸出先がある程度分散している豪州と比較し
て、ニュージーランドはロシア向け輸出に大きく依存(約 4 分の 1 )しており、
98年8月17日のルーブル切り下げと、その後のさらなる急落等の影響で、ロシア
国内の経済状況はさらに悪化していることから、より一層の打撃を受けることが
予想される。一方、3位以下の主要国向けでは前年度を上回っており、 3 位のベ
ルギーが同28%増(3万3千トン)、4位のイランが同127%増(1万3千トン)の
大幅な増加となった。

◇図:バターの国別輸出割合◇


無水バターおよびギーは 3 割増

 一方、無水バターおよびギーの輸出は、アジア、北米、中東・北アフリカ向け
が中心となっている。輸出相手国別では、第1位の米国が前年度比32%増となっ
た。これは、米国内でバターの需給がひっ迫し、それに伴って国内のバター価格
が高騰しているため、輸入が増えていることが挙げられる。同国が輸入するバタ
ーの 7 割以上はニュージーランド産である。2位以下では、メキシコが前年度比
10%増(8千5百トン)、フィリピンが同3%増(5千百トン)、インドが同869
%増(5千百トン)となった。

◇図:無水バターおよびギーの国別輸出割合◇


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