ブエノスアイレス駐在員事務所 浅木 仁志、玉井 明雄
ヘレフォード種の母牛。約8産まで繁殖用 に供された後、約50日間肥育、体重約48 0kgで出荷される。 | ブエノスアイレス市より西へ約150km 離れたトレスサルヘントス |
一口メモ アルゼンチンの肉用牛肥育は、グラスフェッドが主流であるが、近年、国内マ ーケットをターゲットとしたフィードロットが増加している。同国における98 年のと畜頭数は1,135万頭。うち、フィードロットで肥育された牛は150 万頭である。一般的に、肥育素牛6〜7ヵ月齢、体重160〜180kgで導入 後、約90日間穀物肥育し、体重230kg〜260kgで出荷する。フィード ロット肥育牛の約50%は未経産牛、約25%が去勢牛である。 訪問先のロスシエルボス牧場では、ヘレフォード種を主体に、繁殖から肥育まで の一貫生産を行っている。母牛頭数は約1,100頭。生産された雌牛は繁殖用 に仕向けられ、去勢牛約1,200頭をフィードロットで肥育している。去勢牛 の一部については、オーナーが別に所有するコルドバ州の牧場から導入している。 ブエノスアイレス市在住の医師であるオーナーは、同牧場近郊に穀物生産農場 (ラスアカシアス農場)も所有、肉牛や穀物生産で得られた利益を再投資にまわ すなど、規模拡大と最新技術の導入に意欲的に取り組んでいる。
約200頭飼養しているレッドアンガス種の母 牛。同牧場では、約1,700haの放牧地を子牛 生産に、約300haを飼料穀物生産に利用してい る。 |
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同牧場では、去勢牛(6〜8ヵ月齢、体重16 0kg〜165kg)を約100日間、フィード ロット(約3ha)で肥育する。1日当たりの増体 重は1.2〜1.3kg。肥育後は、ブエノスア イレス市のリニエルス家畜市場に出荷される。 |
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給餌機械は、自家生産されたトウモロコシのホ ールクロップサイレージ、コーラ会社から購入し ているというコーングルテンフィードのペレット を自動的に計量、あらかじめ決められた配合割合 で混合かくはんする。 | |
トウモロコシのホールクロップサイレージ生産 用のアグパック。1つのアグパックで約70トン のサイレージが生産できる。 |
オーナーの所有するロスシエルボス牧場、 ラスアカシアス農場およびコルドバ州の子 牛生産牧場と3ヵ所すべての管理を任せら れているマネージャーのマデーロ氏。ラス アカシアス農場の事務所にて。 |
収穫機に取り付けられたGPS(全地球 測位システム)を利用し、収穫量や作業状 況等をリアルタイムに把握、生産管理を行 っている。ラスアカシアス農場にて。 |
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