資料：LIC「Dairy Statistics」
注 1 ：「経産牛頭数」は平均飼養頭数
2 ：「飼養規模」は 1 戸当たりの経産牛飼養頭数
◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド家畜改良公社（LIC）によると、97／98年度（97年 6 月 〜98年05 月）の経産牛頭数は、前年度を5.2％上回る322万 3 千頭であった。 経産牛頭数は、88／89年度以降一貫して増加傾向にあり、特に、ガット・ウル グアイラウンド（UR）合意などによる輸出環境の好転から、生産者の増頭意欲 が一層促進され、92／93年度以降は、毎年 3 〜 5 ％程度の伸びを記録してい る。 ◇図：経産牛頭数の推移◇
経産牛頭数を地域別にみると、97／98年度の北島の頭数は、前年度を3.2％ 上回る259万 7 千頭となった。一方、南島の経産牛頭数は、前年度を14.3％ 上回る62万 6 千頭となり、頭数は少ないものの北島の 4 倍ほどの伸びを示し た。93／94年度に対する経産牛頭数の増加率を比較すると、北島の8.3％増に 対し、南島は84.5％増とここ 4 年間で 2 倍近くに拡大している。その結果、 南島の占める経産牛頭数のシェアは、93／94年度の12％から97／98年度には 19％となった。
近年、南島での経産牛頭数の増加が著しい背景には、同島での酪農家戸数が 増加していることが挙げられる。97／98年度の南島の酪農家戸数は、前年度を 4.0％上回る2,014戸で、93／94年度と比較すると実に24.2％増となっている。 これに対し北島では、前年度を1.1％下回る12,659戸となり、94／95年度から 一貫して減少傾向にある。 これは、南島の方が、土地が豊富で地価が北島に比べ安価であるため新規参 入や規模拡大が容易であることや、従前、南島における畜産業の主軸であった 羊や肉牛の経営に比べて、経営環境が良好とされる酪農への転換が図られたこ となどが要因に挙げられる。 なお、両島の97／98年度 1 戸当たりの経産牛飼養規模を比較すると、北島 が前年度比4.1％増の205頭／戸であるのに対し、南島は同9.9％増の311頭／ 戸となっており、南島では国内平均規模の約1.4倍の大規模な経営が行われてい る。
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