米国産肉豚の輸入規制緩和を実施(カナダ)


米国からの肉豚輸入に係る30日間の検疫を中止

 カナダ農業・農産食料省(AAFC)は、米・加間の農畜産物市場開放対策の合意
に先立ち、昨年12月 3 日、オーエスキー病およびブルセラ病が清浄である米
国各州からの肉豚輸入について、30日間の検疫の即時中止などを内容とする動
物検疫規則の改正を行った。今回の改正によれば、米国からカナダに輸入され
る肉豚については、30日間の検疫中止に伴い、米農務省(USDA)の承認した
獣医師がオーエスキー病およびブルセラ病について事前に検査を行い、これに
合格した旨の衛生証明書の添付が必要となる。また、肉豚運搬用のトラックは
清掃、消毒、封印された旨の証明書を携帯する必要があるとしている。

 輸入される肉豚は、カナダ内を 8 時間以上輸送されることが禁止されるとと
もに、パッカーに直行することが義務付けられる。加えて、肉豚は、カナダ入
国が認められた後、24時間以内に、また、パッカー到着後 4 時間以内にと畜
されることとなっている。その後、運搬したトラックは、パッカー内で清掃、
消毒を行うとともに、運転手は衣服を交換することなどが求められる。


疑問視される検疫規則改正による肉豚の輸入増加

 今回の措置は、カナダのパッカーにとって米国産肉豚を受け入れる事実上初
めてのものとなる。しかしながら、カナダドルが米ドルに対して弱含みである
ことや、オンタリオ州第 2 位のパッカーであるクオリティ・ミートの昨年12
月初旬からのストライキに代表される労働争議などの現状からみると、カナダ
による米国産肉豚の輸入需要が高まるとは考えにくく、記録的な肉豚価格低迷
に直面している米国の養豚農家にとっては、朗報とは言えないのが現状となっ
ている。


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