世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国のソルガムと大麦の生産量、ともに前年度を下回る


ソルガム減産、作付面積の減少や干ばつ被害が要因

 米国では、98/99年度*のトウモロコシの生産量が史上2番目の豊作(2億4,800
万トン)となった一方で、ソルガム(マイロ、こうりゃん)については、1,321万
トンと前年度比18%の大幅な減少を記録した。

 これは、生産者がソルガムからトウモロコシや大豆などに作付けをシフトした
ことに加えて、主要生産州のテキサス州などで干ばつによる被害が発生したこと
などによるものとみられている。作付面積は、前年度比 4 %減の963万エーカー
(390万ヘクタール)で、収穫面積は、干ばつにより収穫放棄面積が増加したため、
1953年以降最低の772万エーカー(312万ヘクタール)と推計されている。なお、
トウモロコシと大豆の作付面積は、それぞれ前年度比 1 %および 3 %の増加で
あった。

*年度は、トウモロコシ、ソルガムともに 9 月〜 080月

◇図:作付面積の推移◇


大麦の生産量、前年度比2%の減少

 98/99年度(6月〜 5 月)における米国の大麦生産量は、単位当たり収量が前
年度を3%上回ったものの、作付面積の減少により、前年度を 2 %下回る766万
トンと推計されている。大麦の同年度の作付面積は、634万エーカー(257万ヘク
タール)で、前年度比5%の減少となっていた。作付面積は、価格低迷などによ
り減少傾向で推移しており、98/99年度については、1926年に統計を取り始めて
以来最低の数値となった。

 なお、最も作付面積が減少したのは、最大の生産州であるノースダコタ州で、
赤かび病(scab disease)が広がっている影響もあり、前年度に比べて40万エー
カー(16万ヘクタール)の減少となっていた。一方、同州では、トウモロコシと
大豆の作付面積がそれぞれ24%および35%増加した。


日本のソルガム輸入、アルゼンチン産が倍増

 日本では、ソルガムは、飼料穀物の中でトウモロコシに次ぐ数量が輸入されて
いるが、98年(1月〜11月累計)は、米国産および中国産の輸入減などにより、
前年同期を14%下回った。国別では、豊作に恵まれた(前年度比10%増)アルゼ
ンチン産が、価格競争力を背景に前年同期と比べて2倍強の84万トンと大きく数
量を伸ばした。このため、シェアも前年同期の17%から42%へと増大し、首位の
米国(51%)に近づいた。この期間における平均輸入価格(CIF価格)は、米国産
が17,750円/トンであったのに対し、アルゼンチン産は、2割安の14,194円/トン
であった。

 一方、同期における大麦の輸入量は110万トンで、米国産が前年同期比11%増加
したものの、減産となったカナダからの輸入減などにより全体では、前年同期を
12%下回る結果となっている。

(参考)98/99年度における米国のソルガムと大麦の需給
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 資料:USDA「Feed Outlook」
  注:推計および予測


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