◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、98年の牛肉輸出量(枝肉換算ベース)は、前年 比1.6%増の98万 5 千トンと過去最高を記録した。輸出先別に見ると、最大の輸 出先である日本向けは同6.2%増の50万 7 千トンと同じく過去最高となった。こ の結果、日本向けのシェアも2.2ポイント上昇して51.5%となり、2年ぶりに50% 台に回復した。また、経済の回復に伴い牛肉消費が増加しているメキシコ向けは 同34%増の19万トンと大幅に増加した。これとは対照的に牛肉の国内生産が拡大 しているカナダ向けは同7.6%減の11万 9 千トンに減り、経済が低迷している韓 国向けは同41.2%減の6万7千トンに激減した。日本、メキシコ向けの輸出増加 がカナダ、韓国向けの減少を補うことで、輸出量全体の増加傾向が維持されてい る。 ◇図:輸出先別牛肉輸出量◇
輸出量が過去最高を更新する一方で、輸出額は低下している。98年の牛肉輸出 額(米国の積出港におけるFOB価格)は、前年比6.8%減の23億3千万ドル(約2 千 8 百億円:1ドル=121円)に低下した。輸出先上位 4 国向けを見ると、輸出 量が大幅に増加したメキシコ向けを除き、その他はいずれも輸出額が低下してい る。 ◇図:輸出先別牛肉輸出額◇
輸出額低下の要因としては、@カナダおよび韓国向けの輸出量の減少、A日本 および韓国向けの輸出単価の低下(特に日本向けは3年連続で低下)などが挙げ られる。このような輸出単価の低下は、米国において好景気を背景としてロイン など高級部位の価格が比較的高値で推移していたことに加え、輸出先の通貨に対 するドルの為替相場が上昇したことで、輸出品目がバラなどの低級部位にシフト したことが影響している。 ◇図:主要輸出先別牛肉輸出の平均トン当たり単価◇
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