◇絵でみる需給動向◇
タイブロイラー加工輸出協会が取りまとめた99年 2 月の鶏肉の輸出量(速報値) は、前年同月比10%増の2万4,537トンとなり、前月の同6%減から再び増加に転 じている。このうち冷凍鶏肉は同5%増の1万9,206トン、鶏肉調製品は同35%増 の5,331トンとなった。地域別の輸出状況を見ると、冷凍鶏肉は日本向けが同5% 増加したことなどから、アジア地域合計では同 6 %増の 1 万3,565トン、EU向け は、イギリスへの冷凍鶏肉の輸出量が約2.5倍に急増したことなどから、EU地域合 計では同12%増の5,582トンとなった。鶏肉調製品は、日本向けが同32%増の2,89 5トン、EU向けが同25%増の2,150トンとなり、いずれも大幅に増加した。 その結果、99年1〜2月の鶏肉の輸出量は、前年同期比3.5%増の3万9千8百ト ンとなり、そのうち、冷凍鶏肉はほぼ前年並みの3万 1 千8百トン、鶏肉調製品 が同14.8%増の8千トンとなった。特に、鶏肉調製品の輸出増加により、1月の減 少分を取り戻した格好となった。 一方、99年 1 〜 2 月の輸出金額の合計は、同4%減の33億 4 千万バーツ( 1 バ ーツ=3.3円)となり、そのうち冷凍鶏肉は同 9 %減の22億3千万バーツ、鶏肉調 製品が 9 %増の11億 2 千万バーツとなっている。すなわち、輸出価格の低下に伴 う冷凍鶏肉の減少と、より加工度の高い鶏肉調製品の増加が見られる。
バンコクの市場における99年 3 月の鶏肉(中抜き)の卸売価格(速報値)は、 前年同月比2.5%高の1kg当たり38バーツとなっている。卸売価格は、好調な輸 出量を背景に98年 1 月から上昇傾向で推移してきたものの、98年後半には為替 相場の安定により輸出競争力を維持するために輸出価格が引き下げられたこと もあり、卸売価格も98年 9 月のピーク時に前年同月比30.8%高の44.5バーツと なって以降、軟調に推移している。 小売価格(速報値)は98年 1 月に大きく下落した後、低水準で推移しており、 98年12月においても前年比3.1%安の1kg当たり50.6バーツとなっている。この結 果、98年 1 月より12ヵ月連続で前年同月を下回ることとなった。 ◇図:タイにおける鶏肉価格の推移(バンコク市場)◇
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