◇絵でみる需給動向◇
行政院農業委員会(農業省に相当)は、昨年11月末に行われた豚の飼養動向調 査結果に基づき、99年の豚の生産頭数予測を公表している。これによると、99年 1〜 2 月、 3 〜 4 月および 5 〜 6 月の生産頭数はそれぞれ154万頭、148万頭お よび138万頭と予測されており、上半期の合計では440万頭となっている。これは、 98年上半期のと畜頭数508万頭と比較すると13.4%減とかなりの減少幅となってい る。また、第1および第 2 四半期別の生産頭数はそれぞれ230万頭および210万頭 と試算されており、四半期別に見ても前年から続いている減少傾向が顕著となっ ている。 なお、99年通年では昨年の980万頭を2.9%下回る952万頭と予測され、政府試算 の台湾における年間需要頭数「 1 千万頭前後」をやや下回っている。
2 月中旬の「春節」(旧正月)の直前をピークに高水準で推移した肉豚卸売価 格は、需要の盛り上がりが一段落した3月にも大きく下落することはなく、4月上 旬の段階でもほとんどの肉豚卸売市場で生体100kg当たり6千元(21,660円:1元 =3.6円)前後を維持している。このように肉豚卸売価格が高値で推移している背 景には、台湾の豚飼養頭数が絞り込まれる中で、消費者が特に好む内臓や豚足な どが不足していることがあるとされている。 ◇図:肉豚卸売価格の推移◇
政府によると、全国の肉豚卸売市場で99年2月に取り引きされた肉豚は約52万 4千頭で、 1 月の57万7千頭と比較すると9.2%の減少となった。また、肉豚の重 量も 2 月は109.7kgと 1 月と比較すると2.6%の減少となっている。こうしたこと から政府は、当面は肉豚供給の不足が予測されるとして、養豚農家に対して豚価 の一時的な下落によって豚の売り急ぎを行わないよう注意を促している。併せて、 生産者と肉豚卸売市場との間で協議された出荷頭数や時期に見合った供給を行う ことが豚価の安定に寄与するとして、計画的な出荷を呼びかけている。 ◇図:肉豚卸売市場における出荷頭数の推移◇
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