米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○豚肉生産量、今年半ばまでは高水準で推移


総飼養頭数、 8 四半期ぶりに前年を下回る

 米農務省(USDA)によると、99年3月 1 日現在の豚の総飼養頭数は、前年に比
べて0.5%減の5,985万頭となった。豚の総飼養頭数は、肥育豚価格が低迷する中に
あっても増加傾向が続いていたが、わずかな減少幅ではあるものの、97年 3 月以
来、 8 四半期ぶりに前年を下回った。

◇図:豚の総飼養頭数◇


高水準の豚肉生産は、今年半ばまで継続

 しかし、肥育豚(雌雄を含む)の飼養頭数は前年に比べて0.2%増の5,332万頭と
依然として前年同様の高い水準を維持している。これを体重階層別に見ると、60
ポンド(約27kg)未満が同1.9%の減少となっているものの、60ポンド以上は前年
並み若しくは同 2 〜 3 %の増加となっており、豚肉生産は少なくとも今後数ヵ月
は昨年以上の水準で推移するものとみられている。このため、一部業界紙は、一
時回復に向かった肥育豚価格が再び下落する可能性があると指摘しており、生産
者にとっては厳しい状況が続いている。

◇図:体重階層別肥育豚頭数◇


主要生産州で繁殖豚のとう汰が進む

 このように肥育豚が増加基調を継続している一方、多くの主要生産州で繁殖豚
のとう汰が本格的に進んでいる。繁殖豚(雄を含む)の飼養頭数は、前年に比べ
て6.0%減の653万頭となった。全米の繁殖豚の 5 割以上を飼養するアイオワ州や
ノースカロライナ州などの上位 5 州では、同5〜14%減少した。このため、今年
の秋以降は豚肉生産がかなり減少すると見込まれている。

 なお、主要州のほとんどにおいて繁殖豚が前年並み若しくは減少している中で、
唯一オクラホマ州だけが突出して増加している。同州の繁殖豚の飼養頭数は、同
11.5%増の29万頭に拡大した。オクラホマ州では、近年、企業経営による大規模
なインテグレーションが展開されているが、肥育豚価格の低迷が長期化する中に
あっても飼養規模の拡大が続けられていることは、注目に値する動きの1つであ
る。

豚の総飼養頭数(99年 3 月 1 日現在)
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 資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」
 注 1 :(  )内の数値は前年比
   2 :肥育用、繁殖用ともに雌雄を含む

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