◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、肥育牛価格(ネブラスカ州の相対取引価格、去 勢、1,100〜1,300ポンド)は、99年1月以降緩やかな上昇を続け、9月には前年同 月比13.2%高の66.0ドル/100ポンド(157円/kg:1ドル=108円)と今年の最高 値となった(左図参照)。このような動きは、夏から秋にかけて他の食肉との競 合激化などから、価格は60ドル前後まで低下するという3ヵ月前の業界予想に反 したものとなっている。
これは、豚肉および鶏肉が安値で推移しているにもかかわらず、牛肉に対する 堅調な需要が継続していることを反映している。牛肉の販売は、小売やレストラ ン、サービス部門での需要が旺盛であることから4月中旬以降活発になっており、 卸売価格は高水準で推移している。特に、好景気に後押しされた消費者の購買意 欲の高まりを背景にして、より高品質な牛肉に対する需要が多い。このため、チ ョイス級牛肉の卸売価格は、セレクト級に比べ値上がり幅が大きくなっている。 ◇図:牛肉の卸売価格◇
一方、好調な市場動向を受けて、8月のフィードロットへの導入頭数は、207 万頭と低水準であった前年同月に比べて17%増加し、フィードロットにおける 飼養頭数は、9月としては記録的な水準である953万頭となった(左図参照)。 このように、肥育牛の供給は潤沢となり、価格低下への圧力が増すとみられる ものの、USDAでは、今年第4四半期の肥育牛価格は60ドル台後半と堅調に推移 し、99年平均では、90年代で最安値を記録した98年の61.5ドルから、60ドル台 半ばまで回復するとみている。また、業界でも、年末に向けての「世紀末商戦」 が既に動きを見せ始めていることなどから、今後の市場は強含みで展開すると いう見方が大勢を占めている。 ◇図:フィードロットへの導入頭数(主要7州)◇
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