ブラッセル駐在員事務所 島森宏夫、井田俊二
@塩振り1〜丸ごとのもも肉に塩を振る。原料豚は ラージホワイト、ランドレース、デュロックの3元 交配。プロシュートパルマ生産組合が生産農場を監 督している。飼料は大麦、小麦、トウモロコシ、ホ エーが主体。 |
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@塩振り2〜1週間後にもう一度塩を振る。使用 量は、ももの重量に対して5.5%程度。他のハ ムに比べて少量で、スイートな味を生み出す。 |
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B塩漬保存〜製造開始後100日目まで、塩を 肉の深部までじっくりと浸透させる。この 間熟成が始まらないよう冷蔵状態で保存す る。もちろん製品のチェックは毎日欠かさ ない。 |
一口メモ ヨーロッパには「生ハム」という言葉はない。「ハム」といえば一般的に「生 ハム」だ。パルマ県のランギーニ町にあるパルマハムの工場長曰く、パルマハム の3大要素は、良質な豚のもも、南イタリアの海水から作った塩、それに空気。 リグリア海からアペニン山脈を越えてランギーニの谷に吹き込む空気は、山脈を 越える際にたっぷり酸素を抱き、ハムの熟成の決め手になる。 パルマハムは、1年以上じっくりと塩漬/熟成して生まれる。この間のほとん どが手作業である。塩の振り方、熟成庫への「空気」の取り入れ具合、馬の骨の スティックを使った官能検査まで職人の腕の見せ所が揃う。
C油塗り〜塩漬を終えたももの断面に、脂肪、塩、コショ ウの混合物を塗る。これから始まる6ヵ月の熟成期間中に 肉が硬くならないようにするため。
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D官能検査(その1)〜熟成終了時に行われる官能検 査。馬の骨で作ったスティックを数カ所に刺して、抜 き取り、アロマで嗅ぐ。馬の骨には微細な小孔があり、 アロマを逃がさない。 |
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E官能検査(その2)〜官能検査は プロシュートパルマ生産組合と工場 の両者が実施する。生産組合の検査 に合格すれば、王冠マークの刻印が 施される。王冠マークは、かつてパ ルマハムの生産地域を領域に持って いたナポレオンのお后マリールイー ズの紋章である。 |
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Fパルマハムは骨付き、骨抜きの両方の形で販売される。 パルマハムの微妙な味を楽しむには薄切りが一番。もち ろん販売店でスライスしてくれるが、スライサーを持つ 家庭も少なくない。 |
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