◇絵でみる需給動向◇
豪州フィードロット協会(ALFA)は、7月末、豪州家畜生産者事業団(MLA) との共同調査による4半期ごとのフィードロット飼養動向を発表した。これによ ると、99年6月30日時点での飼養頭数は、前年同期比11.2%増の58万8百頭と調査 実施以来の最高を記録した。飼養頭数が前年同期をかなり大きく上回ったことや、 クインズランド(QLD)やウェスタンオーストラリア(WA)でのフィードロット 施設の操業停止が相次ぎ豪州全体の収容能力が低下したことから、フィードロッ トの稼働率(収容能力に対する実飼養頭数の割合)は68.6%と、前年同期を8.1ポ イント上回ることとなった。 ◇図:フィードロット飼養状況の推移◇
ALFAでは、6月末のフィードロット飼養頭数について、ほぼ前回調査時(99年 3月)の予測通りであったとしつつも、飼料穀物価格が安値で推移していること や、日本向けを中心とした輸出需要の回復が見られること、国内需要が堅調であ ることが頭数増の大きな要因としている。 99年6月30日時点の日本向け飼養頭数は、前年同期を15.2%上回る35万6千頭と なり、飼養頭数全体に占める割合は、前年同期を2.1ポイント上回る61.3%となっ た。飼養頭数の約3分の1が仕向けられる国内向けは、前年同期を15.8%上回る20 万7千頭と日本向け同様大幅な伸びを示した。また、韓国向けは、最近の自国経 済の回復に伴う牛肉消費の拡大を反映して、数量は少ないものの豪州産穀物肥育 牛への需要も回復しており、99年6月30日時点の同国向け飼養頭数は、前年同期 を68.1%上回る6千5百頭となった。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、全体の約5割近くを占めるQLDが前年 同期を15.1%上回る27万4千6百頭となったのをはじめ、サウスオーストラリア (SA)やWAでは、実数は小さいもののそれぞれ2ケタ増の大きな伸びを示した。 これに対し、南東部に当たるニューサウスウエールズ(NSW)やビクトリア(VIC) では、今冬季が比較的穏やかな気候であることから放牧からの切り替えが進まず、 フィードロットへの導入が他州に比べ低い水準になったとみられ、それぞれ前年 同期比1.3%増、同4.6%減となった。
次回9月末の飼養頭数について、MLAでは、素牛供給の減少や春先の牧草状態 が例年以上に良好と見込まれることから、南部地域を中心に放牧が盛んになると みている。このため、今後NSW州を除くすべての州でフィードロット導入頭数の 減少が見込まれ、99年9月末のフィードロット飼養頭数は、今回の6月時点を4.0 %下回る55万7千4百頭と予測されている。 州別フィードロット飼養頭数 資料:ALFA/MLA「National Accredited Feedlot Survey」 注:( )内は99年6月は前年同期比、9月は前回比
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