カナダの家族経営による肉用牛一貫経営

デンバー駐在員事務所  本郷秀毅、樋口英俊


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あいにくの雨にもかかわらず、快く取材に応じて
くれたチャーチ家。ご主人によれば、この辺りで
は平均的な規模の家族経営体とのこと。
アルバータ州カルガリーから北に約40キロ
離れたバルザック。
カルガリーとの境界線にほど近い。
一口メモ

 カナダの肉用牛飼養頭数は約1千4百万頭。肉用牛繁殖経営体は全国各地に散
在するが、アルバータ州にその約40%が集中する。繁殖経営体で、自然交配に
より主に春先に生産された子牛は、放牧草のなくなる秋から冬先にかけて、812カ月齢程度で中間育成経営体や直接フィードロットへと導入される。カナダ
においては、規模の大きい20%のフィードロットで、約80%の肥育牛が飼養さ
れていると言われるが、家族経営体によるフィードロットも多数存在してる。
 訪問先の農家は、1900年にご主人の祖父が経営を開始して3代目。普段は夫婦
2人だけで生活しているが、この日は長女のローラさんがオタワから帰省してい
た。息子さんが医者になってしまったため、後継者はいない。税金対策もあっ
て経営の移転を考えているとのこと。他に家付きの雇用労働者が2人。
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 チャーチ家の庭。白と淡いピンクの花が
品よく飾られていた。
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 ヘレフォード純粋種の放牧風景。子牛は
自然交配により生産される。冬場でも通常
は氷点下20度程度までしか下がらないので
周年放牧している。牧草は、野生のフェス
ク、バミューダグラス、野生オート麦など
の野草で、バッファローグラスと呼ばれて
いる。
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 広大な放牧地。放牧地と乾草生産用地だ
けで2,400エーカー(約970ヘクタール)も
ある。このほか、飼料用大麦、出荷販売用
の小麦・カノーラを生産する農地が1,600エ
ーカー(約650ヘクタール)。このうち半
分の2,000エーカー(約800ヘクタール)は
借地。
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 放牧地の水飲み場を渡って隣の放牧地へ
と向かう牛達。母牛はコマーシャル生産用
のレッドアンガスとヘレフォードの交雑種。
やや白くみえる子牛は、種雄牛としてシャ
ロレーが交配されているため。
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 自家製フィードロット。1つの囲いに100
頭程度収容可能であり、合計1,000頭の収容
能力を持っている。
 肥育牛の半分は市場から購入。このほか、
子牛付きの母牛が約300頭、更新牛を含め
た育成段階の牛が約300頭いるので合計で
は約2,000頭の規模。穀物を含め飼料はほぼ
完全自給。

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