米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○史上最高となった99年上半期の生乳生産


1頭当たり乳量の増加が最大の要因

 米農務省(USDA)によると、99年1〜6月の生乳生産量は、前年同期比3.2%増
の3,745万トンと、過去最高であった前年の記録をさらに塗り替えた。この増産
に貢献した最大の要因は、1頭当たり乳量の増加である。USDAでは、春先の天候
に恵まれたことから質の高い粗飼料が供給されたことが、このような乳量の増加
につながったとしている。

◇図:1頭当たり乳量(主要20州)◇


西部諸州の伸びが顕著

 上位10州で見ると、カリフォルニア、アイダホおよびニューメキシコといった
西部諸州が、前年同期より8%以上多い高い伸びを示した。中でもアイダホ州は、
ワシントンやカリフォルニアなどの近隣州からの参入が増えているため大幅な増
加が続いており、同州政府は、2000年には全米第5位に躍進するとしている。

99年上半期の州別生乳生産量
mi-us06.gif (5475 バイト)
 資料:NASS/USDA「Milk Production」
     注:経産牛頭数は、第2四半期の数値


懸念される猛暑の影響

 一方、乳製品の需要は、好調な経済とそれに伴う旺盛な個人消費に支えられ、
チーズなどの高付加価値製品を中心に堅調に推移しており、この傾向は今後も継
続するとみられる。このため、USDAでは、99年通年の生乳生産量は、需要の後
押しもあって前年を3%程度上回る7,350万トンと過去最高を記録すると見込んで
いる。しかし、業界関係者によると、7月後半から8月初めにかけての東部や中西
部の猛暑により、一部地域で大幅な減産が伝えられていることから、USDAの見
通しは、今後下方修正される可能性も生じている。

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