企画情報部
@ 安城畜産振興公社の係留場。 照明を落とし、豚に不安を与えな いように配慮されている。同公社 は安城市の第3セクターで、安城 畜産物総合処理場(98年2月下 旬始動/と畜施設:約2万8千平 方メートル、加工処理施設:約1 万5千平方メートル)のと畜施設 を運営している。この施設は、国 内唯一の市営と畜場である。 |
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A 格付け後、階下の急速冷凍庫 へ降ろされる豚枝肉。韓国では湯 はぎが中心。作業室内は15度に 保たれ、米農務省(USDA)の衛 生基準も満たしている。豚肉の格 付けはA〜Dの4ランクで、対日 輸出にはC規格までのものが向け られる。ガラス越しのため見にく いが、写真はC規格の枝肉。規格 が下がるに従い、スタンプの位置 も下(頭部寄り)にされる。搬入 された豚の体重、価格から枝肉重 量、格付けまでのすべてが電算管 理され、生産者にフィードバック される(安城畜産振興公社)。 |
一口メモ 韓国では、経済成長による肉類の消費拡大により、食肉生産も増大した。これ に伴い、同国の主要な食肉の1つである豚肉は、国内需要の強いバラ、肩ロース を国内に仕向け、不需要部位については、価格競争力のあるロース、ヒレ、モモ などを中心に輸出に向けるようになった。同国では、既に90年代前半から、地理 的に有利な日本などを中心に、豚肉の輸出拡大に向けた取り組みが行われてきた。 そして、97年3月に発生した台湾の口蹄疫問題以降は、その輸出が大幅に拡大し た(97年:約5万2千トン→98年:約8万8千トン)。また、輸出拡大に積極的に取 り組み始めた90年代半ばころからは、と畜・加工処理施設が充実され、コールド チェーンの整備も進展した。現在、韓国の輸出向け豚肉のと畜・加工処理工場は、 危機分析重要管理点監視方式(HACCP)の導入、国際標準化機構(ISO)の認定 を受けるなど、国際的な衛生水準を達成している。なお、大型の施設については、 2000年7月以降、HACCPの導入が義務付けられる。
B 安城畜産物総合処理場の汚水処理施設(と畜 部門・加工処理部門共通)。安城畜産振興公社に より運営され、1ヵ月当たり2千トンの処理能力を 持つ。現在、活性汚泥法で1ヵ月当たり約1千トン の汚水を、生物化学的酸素要求量(BOD)および 化学的酸素要求量(COD)がそれぞれ10ppm以 下になるまで処理している。 |
C 安城畜産物総合処理場の加工部門は、株式 会社バルンター、株式会社先進および大韓イン テグレーションがそれぞれ所有する加工処理施 設により構成されている。写真は、株式会社バ ルンターの加工処理場。豚枝肉の場合、実処理 量は1日約500〜550頭で、その約35%が日本な どへの輸出向けである。 |
D 韓国冷蔵株式会社中部工場 (清原郡)。韓国冷蔵株式会社 (韓冷)は、68年に政府の100 %出資により設立された。当初 は水産物の加工処理が主で、畜 産物の加工処理は比較的新しい 部門である。中部工場は政府の 長期畜産計画に基づき96年5月 に竣工し、実処理量は、豚枝肉 の場合で1日約1,600頭。この日 は労働争議中であったにもかか わらず、温かく迎えてくれた。 「こちらへ」が「こさらへ」に なっているのはご愛敬。 |
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E 国内向けと日本向けのカットは似ているが、 国内向けの豚肉にはバラに軟骨をつける。日本 向け豚肉は第4・5肋間でカットされる。国内向 けは第4・5肋間または第5・6肋間でカットされ るものが多い(韓冷中部工場)。 |
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F 余分な脂肪を除去し、整形される豚肉。この 後、袋に入れて脱気され、ヒートシールで密閉さ れる(韓冷中部工場)。 |
G 韓冷中部工場の資材庫に置かれている、日本 向け豚肉(ロース)用の段ボール箱。98年におけ る同工場の日本向け輸出量は約8,600トンで、冷 蔵品と冷凍品は半々であったが、99年は約8割 が冷蔵輸出されている。 |
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