◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)は6月30日、穀物の作付意向調査の結果を公表した。この結 果は、調査期間(5月30日〜6月19日)において生産者から報告された面積の99% が既に作付けを終了していることから、ほぼ作付実績と見なされる。これによる と、2000/01年度のトウモロコシ作付面積は、前年度比2.8%増の3,221万ヘクタ ールと、3月時点での作付予想を0.8ポイント上回った。また、主要5州では、ネ ブラスカとインディアナを除く3州で前年より増加した。 ◇図:トウモロコシ作付面積の推移◇ 全米および主要州におけるトウモロコシ作付面積 資料:NASS/USDA「Acreage」
今年の作付進ちょく状況は、過去10年間の平均である96%を3ポイント上回っ た。従来、作付けが早い年は、盛夏の降雨不足や秋の霜による被害を避けられる ため、収量が増える傾向にある。また、7月3日現在の生育状況は、「良」 (Good)または「優良」(Excellent)が全体の74%を占めるなどおおむね良好とな っている。こうしたことから、今年度のトウモロコシ生産量は、今後の天候次第 ではかなり増加する可能性が生じている。現在までのところ、主産地のコーンベ ルト地帯の天候が理想的だったこともあり、一部専門家の間では、前年度比8.1% 増の2億5,900万トンと過去最高を記録した94年度を超えるのではとも予測されて いる。
一方、主要48州を対象とした遺伝子組み換え(GM)品種の作付状況について は、トウモロコシが全体の25%と、3月時点とは同じ比率ながら前年実績より8 ポイント下回る結果となった。このうち、害虫への耐性を有するもの(Btコーン) が18%、除草剤への耐性を有するものが6%、両者への耐性を有するものが1%と なっている。一方、主要31州におけるGM大豆の作付割合は、3月の52%より 2ポイント多い54%で、そのすべてがラウンドアップレディ大豆など除草剤への 耐性を有するものであった。 作付割合から作付面積を推定すると、GMトウモロコシが805万ヘクタールと前 年を20.4%下回るのに対し、GM大豆は1,627万ヘクタールと前年を14.9%上回っ ている。トウモコロシと大豆でGM品種の作付状況に相違が生じた要因について、 トウモロコシは海外市場を中心に安全性などに関する懸念が高まり作付けが敬遠 された一方、大豆は、平年以上の降雨により雑草の繁茂が予想されたことから、 GM品種を選択する生産者が多かったためと、業界では分析している。
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