NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○99/2000年度上半期の乳製品輸出動向


ゆるやかな増加傾向の上半期輸出

 ニュージーランド統計局によると、99/2000年度(99年7月〜2000年6月)上半
期の乳製品輸出量は、前年同期を若干上回る水準で推移している。前年同期はバ
ター輸出が落ち込みを見せたが、今年度は、前年を上回る好調な生乳生産や低コ
ストに支えられた強い価格競争力、また、輸出国のニーズに合わせた販売戦略を
背景に、総じて順調な輸出状況で推移している。

 今後、乾乳期に入り生乳生産量は減少するが、需要にこたえられる生産量を維
持できるかどうか、ニュージーランド乳業界にとって正念場を迎える。

◇図:品目別乳製品輸出量の推移◇


安定した輸出先を抱えながらも、新たな市場を模索

 今年度上半期の輸出量は、製品別に見ても前年とほぼ同水準である脱脂粉乳を
除き上向いている。また、これまでの輸出先にとどまらず、積極的な販売戦略に
よる新たな市場での成果も見ることができる。

(バター)

 99/2000年度上半期のバター輸出量は、大幅な落込みを見せた前年同期と比べ
て、回復の兆しを見せている。上半期の輸出量は、過去最高であった96/97年度
を超える水準で推移している。しかし、ここ数年のバターの国際取引が低迷して
いることから、下半期においては上半期以上の輸出増は難しい状況にある。

 国別の輸出先を見ると、近年、経済成長が顕著なエジプトを中心とする中東向
けが伸びているほか、ロシア向けの輸出増が目立っており、これらが伸び悩む輸
出を支えている。

(脱脂粉乳)

 脱脂粉乳の輸出量は、前年同期とほぼ同様に推移している。国際価格は99年7
月以降、一貫して上昇基調にあり、脱脂粉乳に対する世界的な需要の高さを示し
ている。また、ニュージーランド産脱脂粉乳の輸出先が安定的に確保されている
ことも、輸出量を維持できる要因である。

 主な輸出先は、経済の回復に伴い消費が拡大しているアジア向けが中心となり、
輸出量全体の約7割を占めている。また、メキシコ、ペルー向けで大きな増加を
見せている。一方、キューバ向けは輸出がストップするなど、高まる需要に反し
て市場獲得競争は厳しさを増しつつある。

(全粉乳)

 全粉乳の輸出量については、わずかながらも増加を見せている。これは、ニュ
ージーランド産に対する安定した需要と新たな輸出先の開拓などが背景にあげら
れる。

 主な輸出先は、これまで通りアジア向けをはじめに、中南米、中東向けが続い
ている。上半期の特徴として、前年同期に輸出量全体の4割を占めた中南米向け
が大幅に減少したのに対し、中国への輸出が拡大している点が注目される。

(チーズ)

 チーズの輸出量は、フレッシュチーズとプロセスチーズを中心に増加傾向で推
移している。輸出先では、全体の約3割を日本向けが占めており、中でもフレッシ
ュチーズについては、日本における需要の高まりを反映して輸出量全体の半分近
くが向けられている。また、好調な経済に支えられた米国への輸出増も注目され
るが、全体としては種類、量ともに輸出先を分散化する傾向にある。下半期につ
いても、上半期同様増加傾向が続くとみられ、前年を上回ることが予想される。

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