タイの鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○ブロイラー生産費がかなりの下落


ヒナ費と飼料費の下落が主要因

 タイ農業協同組合省の公表した99年ブロイラー生産費は、前年比12.0%安の、
1羽当たり46.72バーツ(約135円:1バーツ=約2.9円)となった。これは、生産過
剰のため99年10月以降ヒナ費が暴落したことと、為替相場の安定により低水準で
推移している飼料費が安くなっていることによる。

 ヒナの価格は、99年上半期においては、好調な輸出の影響により上昇傾向で推
移したため、前年同期比18.3%高の10.05バーツ(約29円)となった。しかし、そ
の後の輸出の停滞による生産過剰から暴落し、11月には前年同月比74.2%安の
3.24バーツ(約9円)と、わずか3ヵ月前の13.36バーツ(約39円)に比べて4分の
1となった。このため、下半期の平均価格は前年同期比27.4%安の8.35バーツ(約
24円)となり、99年全体でも8.0%安の9.20バーツ(約27円)となった。

 一方、飼料費は、98年にバーツ安となったことを受けて輸入飼料価格が上昇し
たため、前年比16.9%高の38.27バーツ(約111円)となっていたが、99年には1バ
ーツ=約3.1円程度でほぼ安定的に推移したため、上半期が前年同期比16.5%安の
32.52バーツ(約94円)、下半期が13.0%安の32.69バーツ(約95円)となり、99
年全体でも14.8%安の32.60バーツ(約95円)となった。

 なお、これら以外の固定経費を含む費用は、前年比1.9%高の4.92バーツ(約14
円)となっているが、生産費に占める割合は1割程度であるため、上昇の影響は
生産費全体には強く反映されていない。

◇図:タイにおけるヒナ価格の推移◇


飼料原料輸入価格も下落

 飼料原料の輸入価格の動向を見ると、次の表の通り、いずれもかなりの下落と
なっている。

飼料原料の輸入価格の動向
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 注:( )内は対前年比

 このため、配合飼料価格も大幅に下落しており、育すう用の価格が前年比17
.7%安の1kg当たり6.35バーツ(約18円)、肥育用が前年比17.8%安の7.98バーツ
(約23円)となっており、これらが生産費における飼料費の下落に結び付いて
いるものとみられる。

ブロイラーの生産費
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 資料 :タイ農業協同組合省

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