◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)は4月下旬、99出荷年度(98年12月〜99年11月)における ブロイラーの生産動向を発表した。これによると、生産量(生体重量ベース)は、 前年度比5.9%増の1,852万トンと依然として増加傾向が継続している。今年度は、 ふ化羽数の増加に加え、ブロイラーの大型化により1羽当たりのと体重量が増加 したことから、96年度に次ぐ高い伸びを記録する結果となった。 ◇図:ブロイラーの生産量と販売額の推移◇
州別の生産動向を見ると、最大の生産州はジョージア州で、前年度比3.1%増 の2,812万トンと3年連続で首位を保った。生産順位はここ数年ほぼ変わっておら ず、99年度では、以下、アーカンソー、アラバマ、ミシシッピ、ノースカロライ ナと続く。これら上位5州は、いずれも「ブロイラーベルト」と呼ばれる南東部 に位置し、全米シェアの6割を占めている。生産が南東部に集中している背景と しては、気候が温暖であること、生産から処理加工までのインテグレーションが 一般的である生産形態にあって、主要なコストである労働費が比較的安価なこと などが挙げられる。 ◇図:州別ブロイラー生産シェア(99年度)◇
一方、99年度のブロイラー販売額(生体重量換算価額)は、前年度比0.1%減 の151億ドル(1兆6,157億円:1ドル=107円)と、90年度以降初めての前年割れ となった。これは、国内市場では牛肉などとの競合の激化により、また、海外 市場ではロシア向けの不振などにより、需要が総じて低調に終わったことによ る。このため、今年度は、販売単価が0.37ドル/ポンド(87円/kg)と前年度 を5.7%下回り、生産量は増加したものの、販売額では減少に転じる結果となっ た。
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