豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○99/2000年度上半期の乳製品輸出動向


順調な滑り出しを見せる上半期の乳製品輸出

 豪州の乳製品輸出は、巧みな輸出戦略と、高い需要に支えられ、今年度も順調
な滑り出しを見せている。

 豪州統計局(ABS)の資料によると、99/2000年度上半期(99年7月〜99年12月)
の乳製品輸出量は、脱脂粉乳など強含みで推移する乳製品需要の高まりを受けて、
いずれもほぼ前年度を上回る水準となっている。下半期に入り、乾乳期に伴う乳
製品生産への原料供給の減少が想定されているが、輸出需要を背景とした一部乳
製品在庫の不足など、いずれの乳製品輸出も、前年度実績を上回るとみられてい
る。

◇図:乳製品輸出量の推移◇


アジア向けの輸出は堅調、躍進が目立つ中東向け輸出

 全般的に好調な輸出が目立つ中、従来アジア向けを中心としていた輸出形態に、
新たな輸出先が加わりつつある。

(バター)

 99/2000年度上半期のバター輸出は、アジア向けが台頭した前年度とは一転し
て中東やロシア向け輸出の伸びが目立っている。この結果、上半期の輸出量は4
万2千トンと前年度年間実績の4万8千トンに肉薄している。中でも中東向けは、
豪州の強い売り込みが功を奏した結果、エジプトを中心に輸出量は増大し、輸出
量全体の3割強を占めることとなった。

 世界的にバター需要が伸び悩む中で、中東は豪州にとってアジアに続く大きな
市場となりつつある。

(脱脂粉乳)

 脱脂粉乳の輸出は、過去最高の23万トンを記録した前年度年間実績のペースに
は及ばないものの、上半期で10万8千トンと着実な実績を上げている。輸出先で
は、経済回復に伴う需要の拡大や、学校給食向け消費に支えられた東南アジア向
けが依然として強く、フィリピン、マレーシアを中心に7割近いシェアを誇って
いる。

 脱脂粉乳の需要は依然として強く、世界的にもひっ迫傾向となっていることか
ら、豪州国内の脱脂粉乳の増産傾向を見込むと、最終的な輸出量は、年間実績で
20万トンを超えるのは確実とみられている。

(チーズ)

 チーズの輸出は、前年度に引き続き日本向けを中心に、上半期実績で6万8千
トンと順調な滑り出しを見せている。日本、韓国の2ヵ国で輸出量全体の3割強
を占めてはいるが、バター同様、中東および北アフリカ向けの輸出の伸びが目覚
ましい。サウジアラビア、アルジェリアを中心に輸出量全体の2割を超えるシェ
アを築いている。輸出競争が激化する中、今後、新たな輸出先の開拓は難しいも
のの、エジプト向けなどの輸出増が見込まれており、下半期も順調な輸出が期待
できる。

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