シドニー駐在員事務所 野村俊夫、幸田太
同州北部にあるアッシュグローブ牧場 入口の案内板。静かな農村の幹線道路沿 いにあり、道行くドライバーに手作りチ ーズ工房への立ち寄りを呼びかけている。 |
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落ち着いた雰囲気のチーズ工房全景。 同牧場は、約700頭の経産牛を飼養し、 地元の乳業メーカーにも生乳を販売して いる。搾乳施設はチーズ工房の裏手にあ る。 |
自家製チーズ製造工程の説明板。工房 内には訪問客用の広いスペースが用意さ れており、各種チーズのサンプル、販売 価格表などを見ながら試食・休息できる ようになっている。 |
一口メモ タスマニア州の酪農は、豊富で品質の良い牧草を生かした低コスト生乳生産を 特徴としているが、一方では克服できない弱点も抱えている。それは、豪州本土 の飲用乳消費地から遠く離れているため、飲用乳の輸送コストがかさむことであ る。このため、生産した生乳の92%が、販売価格の面で飲用乳より大幅に不利な 加工原料乳に向けられている。こうした現状に踏まえ、一部の先進的な酪農家は、 少しでも生乳の付加価値を高めようと、チーズやバターなどの自家製造・販売に 取り組んでいる。今回は、こうした酪農家による手作りチーズ工房の運営と販売 努力を紹介する。
低温の貯蔵庫で熟成され るチーズ。製造するチーズ の種類は、カマンベール、 ブリー、チェダーが主体だ が、豪州原産のハーブ(香 草)を加えるなどの工夫を している。 |
訪問客には自家製チーズの試食を勧め る。約20種類のチーズを作っているので 試食サービスも大変だ。カウンター内に いるのは牧場経営者のマイケルさん。 |
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熟成したチーズのカット・包装作業。 季節による生乳生産量の変動が大きいた め、チーズ工房の稼働率も一定でないが、 最盛期には5人の作業員をパートで雇用 する。 |
牧場訪問の約1ヵ月後、全国の生産者 が自慢の家畜や農産物を展示販売するシ ドニー・ロイヤル・イースター・ショー で、タスマニアから来たアッシュグロー ブ牧場のブースを見つけた。ブース内に いるのは奥さんと息子さん。 |
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