生産者団体、新たな食肉消費拡大策を発表(米国)


食肉2団体、新キャンペーンで上向く需要を後押し

 全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)および全国豚肉生産者協議会(NPPC)は
先ごろ、新たな消費拡大キャンペーンの実施を相次いで発表した。米農務省(U
SDA)によれば、99年の1人当たりレッドミートの消費量(小売重量)は、牛肉
が31.4kg、豚肉が24.6kgで、98年に続き前年を上回った(牛肉1.8%増、豚肉3.0%
増)。この要因として、好景気により外食などでの需要が好調であることなどが
指摘されているが、今回の両団体のキャンペーンは、現状の好調さをより確実な
ものにしたいとの意向が働いているものと思われる。

 なお、両団体の消費拡大活動は、いずれも生産者が負担するチェックオフ資金
を原資として行われる。


NCBA、牛肉の栄養を母親層にアピール

 NCBAが4月初めに発表した消費拡大テレビ・キャンペーンは、25歳から54歳の
「母親」に焦点を絞ったものである。4月下旬から放映が予定されているテレビ
コマーシャルは、「牛肉を夕食に」というテーマとともに、健康上重要な栄養素で
ある鉄分、亜鉛、たんぱく質およびビタミンBの摂取に果たす牛肉の役割に関する
情報を伝えるものとなっている。

 このコマーシャルは、9月末までの実施が予定されており、その間に5千6百万人
のターゲットの女性によって平均15回視聴されるものと見込まれている。

 また、これに先行して1月から行われている雑誌広告については、家庭、グル
メ、健康関連の雑誌など計36誌に延べ82回記事を掲載することで、ターゲットの
女性は、これらを平均8.6回、目にするものと期待されている。「母親」をター
ゲットにした理由についてNCBAの担当者は、「母親」が家族の食事を担ってい
ることを挙げており、今回の広告によって「母親」は、牛肉がおいしさと栄養を
同時に家族へ与えられる食材であることを確信するだろうとしている。


NPPC、献立食材としての豚肉を強調

 一方、豚肉の生産者団体であるNPPCも3月、新たな消費拡大キャンペーンに着
手することを明らかにしている。NPPCの担当者によれば、これは豚肉の脂肪の少
なさを強調して86年から実施された「豚肉:もう1つのホワイト・ミート」キャ
ンペーン以来の大規模なもので、消費者の豚肉に関する食材選択の考え方を変
えて行くものとしている。

 NPPCの調査によれば、消費者は日ごろ食べているものに飽きており、昨日食べ
たものでさえ覚えていない例が多いという。こうした調査結果を踏まえてNPPC
は、記憶に残る豚肉レシピをユーモアを交えて提示することで、豚肉が究極の献
立食材であることを家庭雑誌やテレビ広告を通じて強調していくとしている。

 また、豚肉を使用したさまざまな献立のアイデア、調理上のアドバイスなどの
情報が得られるホームページをインターネット上に開設するほか、米国の有名
シェフがホストを務める料理番組のスポンサーになることを計画している。

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