米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○好調が続く肥育牛価格


13ヵ月連続で前年超

 肥育牛価格が高水準で推移している。米農務省(USDA)によると、肥育牛価
格(ネブラスカ州の相対取引価格、去勢、1,100〜1,300ポンド)は、99年2月以降、
一貫して前年を上回って推移してきたが、今年3月には前年同月比10.6%高の71.5
ドル/100ポンド(170円/kg:1ドル=108円)と、96年11月以来の最高値となっ
た(左図参照)。価格が70ドルを超えたのは、99年11月に次いで2度目であり、
3月中旬には瞬間的に73ドルを記録した。


旺盛な需要が価格を押し上げ

 このように、1年以上も価格が堅調な動きを見せているのは、内外からの旺盛
な牛肉需要が今年に入っても継続していることを反映している。国内市場では、
活況を呈する経済を追い風にして、中級部位はもとより、ホテル・レストラン部
門からのステーキ需要も好調となっている。また、輸出市場では、経済危機から
回復した韓国で急増するなど、アジア諸国向けを中心に需要が伸びている。この
ため、肥育業者は、堅調な需要が今後も継続するとの見込みから、肥育素牛の調
達を活発に行っているとみられる。

◇図:国別牛肉輸出量◇


一時的には沈静化するも、長期的には強含みで推移か

 一方、3月1日現在の主要7州におけるフィードロット飼養頭数は、前年同月
比9.2%増の970万頭と極めて高水準なものとなった。中でも、出荷直前の肥育
牛頭数は、3月時としては史上2番目に多いと伝えられている。このため、業界
関係者は、現在のような高価格は、早ければ1ヵ月後には収束に向かうとみてい
る。しかし、生産基盤の縮小を反映して、2月のフィードロットへの導入頭数が、
99年7月以降初めて前年水準を下回るなど、素牛供給は減少の兆しを見せ始めて
いる。こうしたことから、USDAでは、肥育牛価格は長期的には強含みで推移し、
2000年平均では70ドル近くになると分析している。

◇図:フィードロットへの導入頭数◇

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