世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国のトウモロコシ作付予想面積、前年実績をわずかに上回る


前年比0.6%増も依然低水準

 米農務省(USDA)が3月31日に発表した作付意向調査によれば、2000年におけ
るトウモロコシの作付面積は、3,152万ヘクタールで、前年実績を0.6%上回ると
予想される。

 トウモロコシの作付面積は、作付制限や減反を廃止した96年農業法の施行以降、
前年を上回って拡大を続けた。99年は、4年連続の豊作による生産過剰から95年
以来の減少となった。今年は、99年実績をわずかに上回るものの、過去5年間で
見ると依然低い水準にとどまるとみられる。

全米および主要州におけるトウモロコシ作付面積
grain04.gif (4529 バイト)
 資料:USDA「Prospective Plantings」
  注:シェアは、99年の実績に基づく


干ばつの影響で地域により差

 トウモロコシについて、州別の動向を見ると、最大の生産州であるアイオワ州
は494万ヘクタール、また、これに次ぐイリノイ州は449万ヘクタールといずれも
前年実績を上回るとみられる。しかし、3位のネブラスカ州は336万ヘクタール、
4位のミネソタ州は283万ヘクタールと、年初以来の干ばつの影響から前年実績を
下回ると予想される。また、5位のインディアナ州も231万ヘクタールと、前年実
績に達していない。


大豆の作付面積は前年より拡大か

 一方、大豆については、前年水準を1.5%上回る3,030万ヘクタールと予想され
ている。これが実現した場合、史上最大の作付面積となる。トウモロコシと同様
に価格が低迷しているにもかかわらず、作付け意欲が衰えないのは、大豆のロー
ンレート(融資単価)がトウモロコシに比べ、比較的高い水準に設定されている
ことなどが理由として挙げられる。


GMの選択はトウモロコシ、大豆とも前年を下回る

 また、今回の調査結果によれば、遺伝子組み換え(GM)品種の作付面積は、
トウモロコシが前年実績の33%を8ポイント下回る全体の25%となっている。そ
の内訳は、害虫への耐性を有するもの(Btコーン)が18%、除草剤への耐性を有
するものが5%、両者への耐性を有するものが2%となっている。また、大豆も前
年実績より5ポイント減少して全体の52%がGM大豆を選択するという結果となっ
ている。


今後の作付けの進ちょく状況に注目

 トウモロコシ作付けの進ちょく状況(4月3日現在)は、干ばつの影響などから
前年同期の92%にとどまっている。主産地であるコーンベルト地帯の作付けは、
これから本格化することとなるが、今回発表された意向調査結果も反映され、作
付け作物が選択されることとなる。今後は、コーンベルト地帯の天候に加え、ト
ウモロコシか大豆か、また、GMか非GMか、最終的に生産者がどのような選択を
下すのか注目される。

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