米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○生産基盤に再構築の兆し


総頭数は4期連続の減少

 米農務省(USDA)が四半期ごとに発表する飼養動向調査によると、2000年3
月1日現在の豚の総飼養頭数は、前年同期比3.4%減の5,915万頭となった。総飼
養頭数は、98年秋の肥育豚価格の大暴落を受けて、99年第2四半期に減少に転じ
て以来、低下傾向にあり、98年9月のピーク時に比べて8.4%の減少となる。州別
では、全米第1位のアイオワ州が肥育豚頭数の増加から前年より増えたものの、
他の上位4州はいずれも前年水準を下回った。


肥育豚価格の回復が繁殖基盤を立て直しか

 中でも繁殖豚頭数(雄を含む。)は、前年同期比4.8%減の622万頭と前年を下
回ったものの、その減少幅は99年12月以来最小のものとなった。これは、豚肉生
産が減少する中にあって、ファストフード部門でのベーコン人気に代表される豚
肉需要の回復から、99年12月以降、肥育豚価格が上昇傾向で推移するとともに、
養豚経営の黒字幅が拡大するなど経営環境が好転していることを反映している。
過去2年にわたる赤字の時期を生き残った体力のある生産者は、この機会を逃さ
ずに繁殖豚を保留し、生産基盤の再構築を始めたとも受け取れる。


来年半ばには豚肉生産の増加も

 一方、肥育豚頭数は、すべての体重階層で前年割れとなり、全体では前年同期
比3.2%減の5,193万頭となった。これにより、と畜頭数は今年秋ごろまで減少が
続くとみられる。また、今回のUSDA調査に基づく今年下半期の分娩予定頭数が
前年を3%程度下回ったことから、来年前半のと畜頭数も前年割れとなることが
予想される。しかしながら、専門家の間では、枝肉重量および1分娩当たりの産
子数が増加傾向で推移していることなどから、豚肉生産は、早ければ2001年半ば
には、再び増加に転じると分析されている。

◇図:肥育豚価格と養豚経営体のマージン◇

◇図:枝肉重量および産子数の推移◇

豚の飼養動向(2000年3月1日現在)
po-us07.gif (5791 バイト)
 資料:NASS/USDA「Hogs and Pigs」
 注1:肥育用、繁殖ようともに雌雄の計
  2:前年比は、2000年3月1日現在/99年3月1日現在の比、
    前回比は、2000年3月1日現在/99年12月1日現在

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