世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○米国、トウモロコシ在庫量は減少


9月1日現在の在庫量は前年同期比4.0%減

 米農務省(USDA)は9月29日、9月1日現在のトウモロコシ在庫量を発表した。
これによると、在庫量は前年同期比4.0%減の4,356万トンとなった。近年の在庫
量の動向を見ると、低水準であった96年(1,082万トン)を境に3年連続して増加
したが、2000年はやや減少することとなった。内訳を見ると、農場在庫が0.5%
減の2,014万トン、農場外在庫が6.8%減の2,342万トンといずれも前年を下回って
いる。この在庫量は、過去10年間で93、99年に次ぐ高い水準となっている。

 なお、この在庫量は、99/2000年度(9〜8月)の総消費量(国内消費量+輸出
量)の約18%に相当すると見込まれる。

◇図 トウモロコシ在庫量の推移(9月1日現在)◇


総消費量の増加により在庫量減少

 最近の四半期ごとのトウモロコシ在庫量を見ると、3月1日現在(前年同期比1.
7%減)、6月1日現在(同0.9%減)といずれも前年をわずかに下回る水準で推移
した。9月1日現在(同4.0%減)では減少率が拡大しているが、これは6〜8月の
総消費量が4,750万トンと前年同期を2%程度上回ったためである。

◇図 トウモロコシ生産量および四半期ごとの在庫量◇


2000/01年度の生産量を下方修正、ただし依然過去最高を予測

 USDAが9月14日に発表した需給予測によると、2000/01年度(9〜8月)のトウ
モロコシ生産量は、前月の予測値を1.8百万トン下方修正し、2億6千3百万トンと
見込まれている。これは、前年度の生産量(2億4千万トン)を9.8%上回っており、
前月の予測値と同じく依然として過去最高の豊作を予測している(これまでの記
録は94/95年度の2億5千5百万トン)。

 なお、2000年10月8日現在の米国産トウモロコシの生育状況(主要18州)は、成
熟率が96%、収穫率が50%となり、前年を上回るペース(前年同期の収穫率は39
%)で収穫が行われている。


2000/01年度のトウモロコシ総消費量は増加を予測

 2000/01年度は、米国でトウモロコシの記録的な豊作が見込まれる一方、ソル
ガムの生産量が前年度を下回ることが予測されることなどから、米国で消費され
る飼料等穀物のうちトウモロコシの割合は89%となり、前年度を2ポイント上回
ると予測されている。

 また、トウモロコシの輸出量については、ハンガリーやルーマニアなど東ヨー
ロッパをはじめとした輸出国で生産量が前年を下回り、これらの国で輸出余力が
縮小すると見込まれることから、ほぼそれに相当する分、米国からの輸出量が増
加するとみられている。

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