99年度の食肉会社ランキング(米国)


上位2社が入れ替え

 先ごろ、米国の食肉業界誌である「ミート・アンド・ポルトリー」において、
恒例となっている食肉産業各社の販売高による上位100社のランキングが発表さ
れた。

 これは99年度の販売高に基づくもので、上位の顔ぶれは昨年度とほぼ同じであ
ったものの、上位2社については、昨年度と順位が入れ替わり、生鮮、加工品部門と
もに好調であったIBP社(本社サウスダコタ州)が前年度比10%増の141億ドル
(約1兆5千4百億円:1ドル=109円)で首位に立った。一方、昨年度首位のコナグ
ラ社(本社ネブラスカ州)は、137億ドル(約1兆5千億円)で前年度を6%上
回ったものの、2位に転落した。昨年度と同様にカーギル社(本社ミネソタ州)
が90億ドル(約9千8百億円)で、これらに続いた。


牛肉と家きん肉で明暗

 99年度は、特に牛肉の販売が、国内の好景気やアジア市場の回復などにより好
調に推移したこと、各社が力を入れている加工品部門が堅調であったことなどか
ら、業界全体の販売高は、前年度比4%増の965億ドル(約10兆5千2百億円)とな
り、昨年度の記録をさらに上回った。

 一方、生産過剰となった家きん肉を主として取り扱う会社では、第4位のタイ
ソン・フーズ社(本社アーカンソー州)の販売高が74億ドル(約8千1百億円)で
前年度並み、10位のパーデューファーム社(本社メリーランド州)が25億ドル
(約2千7百億円)で前年度比0.4%の減少となるなど、販売高の伸び悩みが見られ
た。


企業買収と高度加工が大きなトレンド

 ここ数年、米国の食肉業界では、規模拡大によるメリットの追求や、付加価値の
高い加工部門への進出を図る上で、企業買収が大きなトレンドとなっており、販売
高のみならず、経営自体の成否にも影響するほど重みを増している。今回首位の
IBP社も、99年度にH&M Food System社など数社の買収により加工品部門の拡充を
行った。さらに、高付加価値化という大きな流れの中で、一部の食肉パッカ−が着
手する、いわゆるケースレディ・ミート(精肉を小売店のショーケースに並べるだ
けという段階にまで、加工・包装を施したもの)の販売に代表される流通の川下
への進出も、重要な動きの1つとして注目されている。

99年度の食肉会社上位10社
ranking.gif (34221 バイト)
 資料:Meat & Poultry社「Meat & Poultry」2000年7月号

元のページに戻る