◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)は、7月30日現在の米国におけるトウモロコシの作柄動向 を公表した。主要18州の作柄状況は、「優」(Excellent)と「良」(Good)の合 計が74%で、前週(7月23日現在)と比較して1ポイント下回ったものの依然とし て70%以上の水準を維持しており、最近5年間で最もその比率が高くなっている。 地域別では、イリノイ州の86%からネブラスカ州の52%と地域格差が拡大してい る。また、7月30日現在の生育状況は、シルキング(雌穂の開花)が完了した比 率が90%、ドウ(受粉後、ミルク状穀粒の中身が柔らかい固まりになった状態) の比率が26%で、最近5年間の平均(それぞれ72%、13%)を上回っており、例 年より1週間程度早くなっている。 ◇図 米国トウモロコシの作柄状況(「優」と「良」の合計)◇
さきに公表されたトウモロコシ作付け調査(6月30日現在)によると、2000/ 01年度のトウモロコシ作付面積は3,221万ヘクタール(前年度比2.8%増)と前年 を上回っている。 一方、トウモロコシの作柄は、一般的に8月の気象条件次第で大きく左右され ものの、現段階では急激に作柄状況が悪化する兆候は見られず、単収も前年の水 準(133.8ブッシェル/エーカー)を上回るとの見方が一般的のようである。 このため、2000/01年度のトウモロコシ収穫量は、干ばつの影響を受けた前年 度を上回る豊作が見込まれている。 ◇図 米国産トウモロコシの単収の推移◇
また、7月のUSDAの世界飼料穀物生産予測によると、2000/01年におけるト ウモロコシ生産量は米国で増加する一方、東欧や中国では生産量が減少するとみ られている。 ハンガリー、ルーマニアおよび旧ユーゴスラビアなどの東欧では、干ばつとそ れに続く高温気象でトウモロコシ生産に大きな被害があったとみられている。ま た中国では、トウモロコシから価格が優位な大豆へ作付けを変更した生産者が増 加した結果、トウモロコシ生産量が前年を下回るとみられている。 このため、低価格で輸出競争力のある米国産トウモロコシの輸出は、中国産ト ウモロコシの輸出市場である東南アジア向けをはじめ拡大し、5千2百万トン(99 /2000輸出量は4千650万トン)と過去5年間で最大の輸出量となることが予測さ れている。
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