企画情報部
大連から北へ約70kmのところにある大成食品 有限公司。中国の輸出用鶏肉生産は、インテグ レーションの下で、ヒナや飼料の供給、成鶏の 買い取り・処理などが統一的に管理されている ケースが多い。この公司は、日本の商社と台湾 の食品会社との合弁企業で、事務所の背後にあ る高い建物は飼料工場である。 |
インテグレーターの契約農家の鶏舎。ブロイ ラー生産部門は、すべて農家との契約になって いる。この鶏舎での飼養羽数は6千羽で、この 地域の契約農家の平均的な飼養羽数である5千 羽と比べると、やや規模が大きい。寒冷地であ るため、鶏舎は冬の寒さ対策に重点が置かれて いる。 |
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鶏舎内は、1メートルほどの高床式で、床は金 網のすのこ状になっている。疾病予防やモミジ の高付加価値化、作業の効率化などの目的から、 このような構造になっている。 |
収穫・保管していたトウモロコシを飼料工場 に直接販売するため、小型三輪トラックに現品 を積み込み、取引のために工場を訪れた近郊の 農民。このようにして持ち込まれる飼料原料は 生産の主体ではないが、品質的には高い評価を 得ている。 |
ひとくちメモ 平成11年度の中国対日鶏肉輸出は21万8千トンで、ここ10年間で7倍以 上の拡大を示している。また、日本の鶏肉輸入の国別シェアにおいても11年度 の輸入量55万3千トンの約4割を占め、平成6年度以降6年連続で第1位とな っている。 中国鶏肉輸出の最近の動向を見ると、部分肉輸出の増加率を上回る勢いで、付 加価値製品である調製品の輸出が伸びている。中国では、ブラジルやタイなど安 価な労働力を武器として輸出の拡大を図る競争相手国との輸出競争に加わるだけ でなく、付加価値製品で中国の特色を生かした輸出拡大を図ろうとする姿勢を見 ることができる。
HACCPやISOの認証を受けた加工工場内の鶏肉 加工作業。作業を行う従業員はほとんどが女性 で、近郊または近隣の省からの出稼ぎが主体と なっている。工場の近くには、寮施設もある。 |
焼き鳥用の串刺し作業を行う従業員。最近は どの企業も高付加価値製品の製造・輸出の拡大 に力を入れる傾向にあり、調製品の製造施設の 拡張・新設を行っている工場も多い。鶏肉調製 品の対日輸出量は、平成6年度は約1万トンであ ったが、5年後の平成11年度は約6万3千トンと、 年率43.9%の急激な伸びを見せている。 |
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青島の伝統的な市場で販売されている鶏肉製 品。市場で販売される生鮮食品は、価格面でメ リットがあるわけではないようだが、野菜や果 物など、どれも新鮮なものが多い。 |
上海の経済開発区にある中国資本のスーパー マーケット。主要な都市では、外国資本の大型 スーパーマーケットや地元資本のスーパーなど が続々と開店している。ファストフードの浸透 とも相まって、鶏肉の流通・消費の形態には、 今後、一層の変化が予想される。 |
(企画情報部)
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